エプーリスとは ~ 歯ぐきにできるできものについて ~

2017/12/15

記事監修医師

日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科

川俣 綾 先生

エプーリスとは、女性に多いといわれている歯ぐきのできもののことです。女性ホルモンが発症に関わっているといわれていますが、その他にも原因はあるのでしょうか。この記事ではエプーリスの原因や予防のポイントについて解説しています。

エプーリスとは

歯ぐきにできる良性の限局性腫瘤をエプーリスといいます。原因はいくつかあるのですが女性ホルモンが影響しているともいわれているため、20~30代の若い女性の発症率が高いとされ、新生児にも先天的に発症することがあります。

歯ぐきに丸型や卵型のこぶができるのが特徴で、そのサイズや色、硬さなどこぶの状態には個人差があります。歯肉腫とも呼ばれ、このエプーリスの大部分は炎症性および反応性の腫瘤なのですが、中には腫瘍性のものもあります。

炎症性、肉芽腫性、線維性、血管腫性、巨細胞性、骨形成性など様々なタイプがあり、この他に特殊型として先天性もあります。どのタイプに属するかで症状も違ってきます。

エプーリスの症状

 

進行がとても緩やかで長期にわたってあまり大きさが変わらないのがほとんどです。そして痛みも感じない場合が多いのでこぶができていることに気付かなかったという人もいます。

一般的には歯間部歯肉にこぶができ、触ると痛みがあったり出血をしたりという症状が見られます。肉芽腫性であれば赤みのある色で柔らかく、出血しやすいという特徴がありますし、線維成分を多く含む場合には白く硬くなることが多い傾向にあります。
痛みがなくこぶが小さいと放置してしまういがちになりますが、少しずつこぶが大きくなっていくことで歯が傾いていってしまう恐れがあるので注意が必要です。また歯間にできることが多く、すきっ歯の原因になる可能性もあります。

エプーリスの原因

実はエプーリスができる原因ははっきりとは判明していません。
しかし考えられる原因としてまずあげられるのは、合っていない金属冠などによる刺激やプラーク、歯肉炎などの慢性炎症刺激です。

つまり様々な刺激によるダメージによって歯ぐきにエプーリスができるのではないかと考えられています。しかしこれらの原因とは少し違う原因としてあげられるのが女性ホルモンによる影響です。
特に妊娠中は女性ホルモンのバランスが大きく乱れるため、このホルモンの内分泌異常などによってエプーリスができやすくなるといわれていて、男性よりも女性の方が多く見られる傾向にあることも、女性ホルモンが関係していると考えられています。

エプーリスの治療法

合っていない金属冠や義歯によるものであれば、歯科医院で早めに調整を行うことが大切です。そのまま放置しているとどんどん症状が進行してしまう恐れがあります。

そして妊娠によるエプーリスと考えられる場合は治療というよりは口内環境を清潔に保つためのケアが必要です。歯石をためないようにするために、定期的に歯科医院で歯石の除去を行うことをおすすめします。また普段の歯磨きだけではなく、柔らかい歯ブラシで歯ぐきをマッサージするというのもエプーリスの治療や予防に効果的と考えられています。

その他、疲れやストレスなどもエプーリスの原因のひとつとされています。しっかりと体を休めることも治療や予防にの1つと考えても良いでしょう。

おわりに:義歯の再治療や歯科クリーニングでエプーリスを防ごう!

エプーリスの原因は様々ありますが、歯肉炎や合わない金属冠や義歯などの刺激によるものが多いといわれています。予防のためには口腔内を清潔に保つことも大切です。定期的に歯科医に通院し、歯の健康状態や衛生状態を確認してエプーリスを予防しましょう。

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