スモン病の症状とは?症状を和らげる方法はあるの?

2017/11/14 記事改定日: 2019/4/3
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

スモン病は薬物中毒が原因の病気であり、日本では販売されていないキノホルム剤の服用がきっかけになり発症します。日本では新たに発症することはないといわれていますが、海外においては違います。スモン病の原因について詳しく解説するので、この記事を参考に予防に備えてください。

スモン病ってどんな病気?

「SubacuteMyelo-Optico-Neuropathy」の頭文字をとってスモン病(SMON)と名づけられました。別名、亜急性脊髄視神経症といいます。
生まれながらの病気ではなく、キノホルム剤を長期間大量に飲んだことで発症する薬物中毒です。

昭和30年代~40年代に発生した病気でありながら、未だにスモン病に苦しんでいる人がいます。当時は日本中に3万人とも言われる大勢の患者がいました。現在では、140名程度と少なくなってはいるものの、日本の薬害・公害の一つとしてスモン病の名や症状が起こった経緯など、教訓として将来にも伝えていくべきものといえるでしょう。

スモン病の原因はキノホルム剤という整腸剤の一つです。このお薬は厚生省が認可したお薬でありましたが、悲しいことに薬害が起こってしまいました。

発見当時は同地域の人が多くスモン病となったことから感染症や地域の水道水や井戸水などが原因ではないかと考えられていました。

やがて、スモン患者の尿や便・舌苔が緑色を帯びていることからその緑色の物質を分析した結果、キノホルムが原因ということが分かったのです。その年の9月にはすぐにもキノホルム剤の販売が中止になったため、その後は新しいスモン病患者は発生することなくなりました。

スモン病の症状と経過

まずは下痢や腹痛などの消化器症状から始まり、さらには足先からしびれ感が出てきておへそや胸までしびれは広がっていきます。下肢の筋力が低下し、歩行障害が起こることも少なくはありません。20パーセントから30パーセントの患者は視力が低下し、失明まで至るケースもあります。下痢や便秘・排尿障害が起こることもあり、尿や便が緑色になるという変化もあらわれます。

キノホルムを服用するのをやめれば症状は少しずつ回復します。とはいえ、感覚や視覚・歩行など後遺症は残ります。うつや不安焦燥といった精神的症状もあります。たとえキノホルムをやめても、発症前と同じように日常生活を送るのは難しいといわれています。

そして原因がキノホルムによる副作用ということは分かっているものの、一度体内に入った成分をすべて取り除くことはできません。症状を悪化させないためには、すぐにキノホルムの服用を止めさせる必要があります。

ちなみに、オーストラリアやアメリカではキノホルムが重度のアルツハイマーの特効薬として注目を浴びており、ビタミンB12を補ってやれば副作用が起こらないという発表もされています。

スモン病はどうやって治療をするの?

スモン病は根本的な治療方法が確立していません。このため、治療はそれぞれの症状に合わせた対症療法が主体となります。

神経症状が強い場合はノイトロビン製剤やニコチン酸などが用いられ、筋肉の拘縮が強い場合にはニコチン酸やダントロレンなどが用いられます。
しかし、これらの薬剤の効果には個人差があり、症状の緩和が期待できるケースもあれば、全く効果がないケースも少なくありません。
治療を行う際には、医師とよく相談して投薬の種類や量を調整していくようにしましょう。

おわりに:決定的な治療法はないので、予防が重要。海外の薬には注意しよう。

スモン病は根本治療の方法が見つかっていない病気ですが、日本では原因になる薬剤の使用が禁止されているので、これ以上新たに患者数が増えることはないと思われます。しかし、海外では販売している国もあるので注意が必要です。成分がわからない薬を安易に服用することがないように気をつけてください。

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