記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/13 記事改定日: 2019/3/15
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
反復性耳下腺炎は、耳たぶの下にある「耳下腺」が腫れて痛みが起こる病気です。同じような症状が現れるおたふく風邪(流行性耳下腺炎)とはどんな違いがあるのでしょうか?この記事では反復性耳下腺炎の症状や治療などの基礎知識を紹介しています。
反復性耳下腺炎は耳たぶの下が腫れる病気です。片側のことが多いですが、両側いっぺんに腫れることもあります。ひどいときには顔の輪郭がかわってしまうほど赤く腫れあがることもあります。
再発することが多く、数週間から数年おきに繰り返し腫れることが報告されています。
耳下腺膨張と呼ばれる現象で原因は特定できていませんが、風邪や疲労で体力が低下した時に起こることが多いため、免疫力が低下することで口腔内の常在菌が耳下腺に感染することが直接的な原因だと考えられています。
一般の人がおたふく風邪とは見分けるのが難しいのですが、反復性耳下腺炎は感染症ではありませんので体調に問題が無ければ通常通りの生活ができます。通常は痛み以外の症状は起こりません。
また、おたふく風邪とは違い発熱しないことが特徴で、食欲不振、嘔吐、腹痛などの症状が起こることもないとされています。
反復性耳下線炎の原因は特定されていませんが、唾液の分泌異状、内分泌系の分泌異状、アレルギー反応、耳下腺の先天異常、ウィルス感染などが原因として考えられています。
主に10歳以下の子供がかかることから免疫未熟も原因とされ、口腔内常在菌いわゆる虫歯の存在も無視できません。また、アレルギーやストレス、疲労なども発症の原因になっているともいわれています
反復性耳下腺炎は原因が特定されていませんのでペニシリンやセフェム系の抗生物質を使い、1週間ほど内服するのが通常です。痛みが強い場合には対症療法として鎮痛剤などが処方されることもあります。
大抵の場合、数日安静にしていれば痛みや赤みは治ります。痛みがあるうちは柔らかいものを中心にした食事をして刺激物は避けるようにしましょう。
反復して何度も起こるため、自己判断で市販の鎮痛剤などを飲んで済ませてしまう人もいるようですが、おたふく風邪との区別が難しいので、必ず耳鼻科を受診させましょう。
反復性耳下腺炎の原因は明確に解明されておらず、様々な説があります。このため、再発を防ぐには以下のように多くのことに注意する必要があります。
反復性耳下腺炎は感染症ではないため、周囲の人に病気をうつす心配はありません。痛み以外の症状もほとんど起こらず、通常は抗生物質の内服と数日の安静で改善します。
再発したときに病院を受診しない人もいますが、おたふく風邪との区別が難しい場合もあるので、念のため病院を受診し検査してもらうようにしましょう。