周期性四肢麻痺とはどう付き合って行けばいい?発作時のリスクって?

2017/11/7 記事改定日: 2019/3/26
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

周期性四肢麻痺は全身の筋肉が脱力してしまう病気です。完全に治すことは難しいですが、症状を抑え日常生活が送れるように対処することはかのうです。
この記事では、周期性四肢麻痺との付き合い方について解説しています。

周期性四肢麻痺の発症のメカニズム

周期性四肢麻痺とは、全身の筋力が失われ、しばらくして正常に戻るという可逆性疾患(元の健康な状態に戻らない病気)のことをいいます。

発作は急に起こることが多く、突然脱力したのちにしばらくして回復するという繰り返しなので日常生活に支障をきたす病気です。そのためこの病気とうまく付き合っていくことができるような生活スタイルを考えていく必要があります。

周期性四肢麻痺は、体内の「イオンチャネル」が大きく関係しています。体細胞では電解質の濃度に差があり、この濃度差を調節するために細胞膜にはチャネルと呼ばれる通路が様々存在しています。これらのチャンネルが異常な状態になることが周期性四肢麻痺の原因です。

一般には常染色体優性遺伝疾患として考えられており、発作時の血清カリウム値によってタイプが分類されます。東アジア地方では甲状腺機能亢進症に伴う低カリウム性周期性四肢麻痺が多く、この場合には内分泌疾患として治療が進められます。甲状腺機能亢進症を伴わない場合には遺伝性疾患となり難病に指定されています。

周期性四肢麻痺と、どのように付き合っていけばいいの?

根本的な治療がないため、発作時の対処や予防などが必要不可欠となります。
発作で体が脱力したとしてもそれ自体が直接命を脅かすことはありませんが、脱力はケガや事故などを招くの恐れがあります。
脱力によるケガや事故のリスクを、日常生活の中でどう気をつけていくのかが、周期性四肢麻痺と付き合っていくためのポイントになります。

対処法

周期性四肢麻痺の発作では下肢を中心に脱力が生じるため、思わぬケガや事故などを引き起こすことがあります。これらのリスクを避けるためには、なるべく発作を起こさないようにするために、暴飲暴食や激しい運動は避け、規則正しくストレスのない生活を心がけるようにしましょう。

また、発作が生じた場合には無理をせずに、転倒せずにつかまり歩きできるようになるまで横になったり座ったりして休むことが大切です。

さらに、転倒すると大けがにつながりかねない階段はなるべく使用せずエレベーターを使用するようにしたり、歩くときも手すりにしっかりつかまって歩くなどの対策を徹底し、万が一転んだとしてもけがしにくくなるように、ヒールの高い靴や露出の多い服は避けるなど服装を工夫しましょう。

発作が起こったときの治療法は?

発作があらわれた際には血清K(カリウム)の是正を行います。低カリウム血症の場合は輸液を行い、高カリウム性の場合には経静脈的にカルシウムを投与します。

発作には誘因があり、糖質の摂取後に発作が起こりやすい傾向にあります。それは血糖値の上昇に伴いインスリンが分泌されることでブドウ糖とカリウムイオンが血中から細胞内へ取り込まれ低カリウム血症が増悪するためだと言われています。

そのため日頃から炭水化物のとりすぎには注意し、摂取した後はあまり外出をしないようにしましょう。

おわりに:病気自体の症状で死ぬような危機はないが、脱力に纏わる事故には備える必要がある

周期性四肢麻痺は急に脱力が起こる病気です。その症状自体で生命の危機に及ぶことはありませんが、脱力したときに物を落としたり転倒したりすることによるトラブルには備える必要があります。医師に相談しながら発作を抑える治療を続け、ライフスタイルを見直してトラブルに対処することが大切です。

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