記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/10
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
血管運動性鼻炎は寒暖差などが原因でくしゃみや鼻水、鼻づまりが起こる病気です。はっきりとした原因はわかっていませんが、症状を緩和する方法はあります。この記事では血管運動性鼻炎の原因と治療について解説しています。
血管運動性鼻炎は周囲の環境の変化によって発生することが多い症状です。主に温度の変化が引き金となって症状が出てしまうと考えられています。朝起きて布団から出たときなどに症状が現れたり、寝るときに布団に入って温まると症状が現れますが、周囲の温度に慣れてくるとだんだん症状が治まってくることが特徴です。
血管運動性鼻炎は周囲の環境に鼻粘膜の局所自律神経が過敏に反応して症状が出てしまうと考えられています。血管運動性鼻炎はアレルギー性鼻炎と同じようにくしゃみや鼻水、鼻づまりといった症状が起こりますが、アレルギー検査をしても特定のアレルギー抗体は見つかりません。
人間の体は意思で動く部分と自律神経に支配され無意識に動いている部分があります。自律神経に由来する体の異変は周囲の環境が発症要因になることが多く、環境の見直しなどで改善することができるのです。
血管運動性鼻炎は季節の変化や匂いなどにより、くしゃみや鼻水、鼻づまりといった症状が出るということはわかっていますが、症状が出たり出なかったりするケースも多く、症状が続く期間なども異なっているため原因の特定が難しいです。
血管運動性鼻炎が発症するメカニズムははっきりと分かっていませんが、気温差や鼻への刺激などが引き金になり鼻の粘膜の自律神経が過敏に働いてしまうことが原因と考えられています。
寝ていても無意識のうちに脳に命令を出して生命活動を維持してくれるのが自律神経であり、意思とは関係なく刺激に反応して体の機能を調整しています。鼻の粘膜に何らかの刺激を受けると自律神経がその刺激を異物と捉えて過剰に働き、鼻水やくしゃみなどで体から異物を出そうとしてしまうのです。
血管運動性鼻炎は原因を特定することが難しいため、根本的な治療は難しいと言われています。そのため病院での治療は症状緩和が中心です。
薬物治療でも改善できない場合は、手術で鼻の粘膜の一部を焼き、粘膜が反応しないようにすることで症状緩和を目指します。
鼻水が酷い場合、神経切断手術をすすめられることもありますが、この手術は合併症のリスクも高いので事前説明を十分にしてもらい、納得したうえで選択するようにしましょう。
また、自律神経を整えることも症状緩和につながります。生活習慣を見直して規則正しい生活を送るように心がけましょう。
血管運動性鼻炎は原因の特定が難しく、発症のメカニズムが完全に解明されたわけではないので、完治が難しい病気です。しかし、鼻粘膜の自律神経への刺激を少なくすることで症状が緩和することがあります。生活習慣を改善して自律神経を整え、周辺の環境を見直して鼻粘膜への刺激が少なくなるように工夫してみましょう。