日本脳炎の症状とは?ワクチンは大人も受けたほうがいいの?

2017/11/10 記事改定日: 2019/6/27
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

日本脳炎はコガタアカイエカが媒介する感染症であり、発症し重症化すると死の恐れもある危険な病気です。
この記事では、日本脳炎の症状や重症化のリスク、治療方法などを説明していきます。また、ワクチンの重要性にも触れていくので参考にしてください。

日本脳炎とは

日本脳炎は、日本脳炎ウイルスに感染することで発生する疾病で、蚊を介して感染します。
日本などの温帯においては水田などで発生するコガタアカイエカが媒介します。ヒトからヒトへの感染はなく、増幅動物(ブタ)の体内でいったん増えて血液中に出てきたウイルスを蚊が吸血し、そのうえでヒトを刺したときに感染します。

以前は子供や高齢者に多くみられた病気であり、突然の高熱、頭痛、嘔吐などで発病し、意識障害や麻痺等の神経系の障害を引き起こします。

日本脳炎ウイルスに感染した場合、およそ1000人に1人が日本脳炎を発症し、発症した方の20~40%が亡くなってしまうとされ、生存者の45~70%に精神障害などの後遺症が残ってしまうといわれています。

日本脳炎になるとどんな症状が出るの?

日本脳炎の潜伏期は6 ~16 日間とされています。

  • 数日間の高い発熱(38~40 ℃以上)
  • 頭痛
  • 悪心
  • 嘔吐
  • 眩暈

などから始まり、小児では腹痛下痢を伴うことが多いです。
さらに急激な項部(首の後ろ側)硬直、光線過敏、意識障害が起こり、筋強直や脳神経症状、不随意運動、振戦、麻痺、病的反射などの神経系障害が現れるようになります。

感覚障害はまれですが麻痺は上肢で起こることが多く、脊髄障害や球麻痺症状も報告されています。また、小児の場合は痙攣を起こすことも多いです

先述のように、死亡率は20〜40%であり、幼少児や老人では死亡の危険が大きく、とくに小児の場合は重度の障害を残すことが多いといわれています。後遺症としては、パーキンソン病様症状や痙攣、麻痺、精神発達遅滞、精神障害などが挙げられる。

日本脳炎は治療できる?

日本脳炎には根本的な治療法はなく、高熱や痙攣などに対する対処療法を行うしかありません。致死率も高く、救命できた場合でも重篤な神経症状を残すこともありますので、感染を予防することが大切です。

日本脳炎の確実な予防法は予防接種を受けることです。日本国内での発症者のほとんどは予防接種を受けていなかった人であることが分かっていますので、忘れずに決められたスケジュールで接種を受けるようにしましょう。

予防接種の効果とスケジュール

日本脳炎はワクチン接種で罹患リスクを75~95%減らすことができます。
標準的なワクチン接種スケジュールを以下で紹介するので、確認しておきましょう。

1期接種
初回接種については3歳~4歳の期間に6~28日までの間隔をおいて2回受けることが一般的です。追加接種(以前ワクチンを受け基礎免疫を獲得している人がワクチンを接種すること)については2回目の接種を行ってから約1年を経過した時期に1回の接種を行います。
2期接種
9歳~10歳までの期間に1回の接種を行います。

定期の予防接種は、各市町村が実施主体となっていますので、お住まいの市町村での実施方法など、詳細については市町村の予防接種担当課にお問い合わせてください。

大人の予防接種

日本では副作用の発現が問題となって日本脳炎の予防接種が実施されていなかった世代もあり、接種を受けていたとしても年齢を重ねるとともにワクチンの効果が薄れる可能性もあります。
日本脳炎の流行地域に行く場合には、感染を避けるためにも大人であってもできるだけワクチン接種をするようにしましょう。

おわりに:発症すると死の危険も。子供の日本脳炎は予防接種で防ごう

日本脳炎は感染した人が必ず発症するわけではありませんが、発症した場合には重症化することもあり、とくに子供は深刻な症状に発展しやすいといわれています。かかりつけ医に相談し、ワクチン接種を検討することをおすすめします。

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