脳梗塞の症状とは? 頭痛やめまい、吐き気が起こることも!?

2017/11/10 記事改定日: 2018/3/20
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

脳梗塞とは脳の血管が詰まることで栄養や酸素を脳の細胞に送れなくなる病気です。その代表的な症状としては、しびれや麻痺などが有名ですが、実は頭痛やめまい、吐き気、眠気などの身近な症状がサインとなることもあるのです。以降では脳梗塞の可能性のある症状や、脳梗塞の原因、治療法などを幅広く解説していきます。 

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脳梗塞の症状

まず脳梗塞とは、血管が狭くなったり血管が詰まることで脳に酸素やエネルギーなどが十分に供給されなくなり脳に障害がおこる病気です。脳梗塞は脳の細胞にすでにダメージが起きてしまった状態を指します。MRI検査でどこにダメージがあるのかを確認して診断に役立てます。

脳梗塞の症状は、発生した場所とその大きさによって異なりますが、主な症状として、片側の手足に麻痺やしびれのような感覚障害が発生したり、言語障害や失語症、視野障害などが生じます。

頭痛やめまい、吐き気も脳梗塞のサイン!

そこまで知られていませんが、めまいや頭痛、吐き気も脳梗塞の症状の特徴です。脳幹や小脳の障害で起きることが多く、吐き気を伴うふらつくようなめまいに見舞われます(回転性のめまいの場合もあります)。また、激しい頭痛も引き起こされることがあるので、麻痺やしびれとともにこれらの症状が見られたら脳梗塞を疑いましょう。

脳梗塞の前兆として眠気が出ることも

脳梗塞の前兆として、実は急激な眠気があります。先述の麻痺やしびれ、めまいなどは脳梗塞の警告発作である「一過性脳虚血発作」と呼ばれるものですが、この一過性脳虚血発作は脳のどの部分の血管に問題が生じるかで、症状が異なります。そして、椎骨脳底動脈系(ついていのうていどうみゃくけい)の血流が低下した場合は、眠気が引き起こされやすいと言われているのです。

脳梗塞にはいくつか種類がある?

実は、脳梗塞は大きく分けると三つの種類に分けられます。この種類は閉塞する血管の太さや、詰まり方によって分けられています。

一つ目はラクナ梗塞です。これは直径15mm以下の細い脳血管が狭窄し、詰まって発生するものです。ラクナとは小さなくぼみという意味を持っているため小梗塞ともよばれています。

二つ目がアテローム血栓性脳梗塞です。これは比較的太い脳血管や頸動脈が、動脈硬化によって狭窄し、血栓ができて詰まってしまうものです。アテロームとは、動脈の内側の壁に悪玉コレステロールが混ざり込み、どろっととした塊ができる症状をさしています。

最後の心原性脳塞栓は、心臓にできた血栓が脳の太い血管を詰まらせるというものです。

脳梗塞の原因とは?

脳梗塞の主要な原因として動脈硬化があげられます。動脈硬化とは、動脈にコレステロールや中性脂肪などがたまり、詰まってしまったり、かたくなって弾力性や柔軟性を失う状態のことを指しています。
動脈硬化に陥ると血液がスムーズに流れなくなってしまいます。そうすると、コレステロールなどの血液中の脂質がさらに動脈にたまるようになってしまい、先へ酸素や栄養が送れなくなります。また、血管に負担がかかりやすくなるので動脈がもろくなってしまうのです。

動脈硬化を促進させる病気としては、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの病気があげられ、さらには肥満、喫煙、運動不足や偏った食事、飲酒、ストレスなどの生活習慣も大きく関係しています。動脈硬化が進行すると脳梗塞をはじめとした脳血管疾患を引き起こすリスクが高まります。

脳梗塞の治療法について

脳梗塞の治療は、薬物療法や手術療法、リハビリが主な治療方法となります。

薬物治療では血栓を溶かすための薬剤や血液の凝固を抑える薬、血小板の動きを抑制する薬や、脳のはれやむくみを抑える薬などを使い、症状の悪化を防ぎます。

脳梗塞の手術は、動脈硬化により厚くなった内壁をくりぬく手術や狭窄した血管をほかの血管につなぐバイパス手術などがあり、脳梗塞の種類や部位によって手術方法が変わってきます。

手足にまひが生じたり、言語障害がみられるような場合には、その機能を回復させるためのリハビリテーションが行われます。方法には様々ありますが、少しでも早くリハビリを始めることが望ましいといわれています。

おわりに:麻痺やしびれに加えてめまいや頭痛が見られたら、すぐ病院へ

麻痺やしびれだけでなく、激しい頭痛や吐き気、めまい、急激な眠気に見舞われた場合は脳梗塞を起こしている可能性があります。すぐに病院を受診しましょう。また、脳梗塞の主な原因は動脈硬化であり、動脈硬化は生活習慣の改善である程度予防ができるといわれています。定期検査とともに生活習慣の見直しも忘れないようにしましょう。

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