赤ちゃんに多くみられる症状、「斜頸(しゃけい)」とは

2017/11/13

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

赤ちゃんの首が同じ一方向に傾いたままで反対側へは向かない、そんな症状が見られるときには「斜頸(しゃけい)」が疑われます。ここではその「斜頸」の特徴や発症原因、治療法などについてご紹介します。

斜頸(しゃけい)の場合、どんな特徴がみられる?

斜頸とは、首が左右どちらか同じ方向に傾いたままだったり、捻じれていたりする状態のことです。常に首をかしげているのが特徴で、少し顔の位置がずれているといった軽度のものから、肩の位置までもが変わってしまっている重度のものまで程度も様々です。

斜頸になった原因として考えられることは?

斜頸の原因は、筋肉によるもの、目によるもの、脊椎の炎症によるものなどさまざまですが、なかでも多いのは筋肉が原因で起こる筋性斜頸というものです。この筋性斜頸は、出産時に難産や逆子だった赤ちゃんによく見られ、産道を通る際に圧迫されることで、首の片側の胸鎖乳突筋と呼ばれる筋肉に腫瘤ができてしまうことが原因とされています。腫瘤は右側にできるケースが多く、その場合顔は左側を向き、右肩は左より上がり気味なのが特徴です。

斜頸の診断・治療法は?

筋性斜頸の場合、診断は胸鎖乳突筋の緊張具合の左右差や、首の動きの制限、しこりの有無など視診や触診所見で行われます。ただ、胸鎖乳突筋にできたしこりは生後2~3週間で最も大きくなりますが、その後自然に治癒していくケースが多いため、だいたい1歳~1歳半ごろまでには8割程度の赤ちゃんに自然治癒が見込まれます。

なお、胸鎖乳突筋が固くなっているからと言ってマッサージをすると、悪化させてしまう恐れもあるので控えてください。腫瘤がある方からあやしたり、ミルクをあげてみたりするなど、自発的に顔を反対方向へ向かせるよう促してあげることが大切です。民間療法や手術を行わなくても治癒できる疾患のため、まずは経過を観察するようにしましょう。

自然治癒しなかった場合の対処法は?

斜頸は多くの場合自然治癒するものですが、もし2歳ごろまでに改善しない場合、手術を必要とするケースもあります。年長児になると二次的に顔面や後頭部が変形してしまったり、側弯症と言って脊椎が変形してしまったりする可能性も出てくるため、一般的に手術を行う時期は小学校に入るまでの3、4歳が好ましいと言われています。症状にも個人差があるため、手術が必要かどうか、どんな手術をするのか、時期はいつごろがいいのかといった点は、専門医とよく相談して決定していく必要があるでしょう。

おわりに:赤ちゃんの斜頸は自然治癒するケースがほとんど。まずは経過を観察

首を一方向にしか向けないといった傾向が見られる赤ちゃんは、斜頸の疑いがあります。しかし、多くの場合は成長過程で自然治癒することが多いため、過度な心配は必要ありません。2歳ぐらいまでは経過を観察し、それでも症状が改善しなかった場合は医師にかかり、治療方針を相談するようにしましょう。

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