記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/6 記事改定日: 2019/11/14
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
鼻の中がムズムズすると感じていても、深く気にせず放置している人は多いのではないでしょうか。持続する乾燥やムズムズの症状は、ドライノーズ®の可能性があります。ここではドライノーズ®の症状や原因、改善策などをまとめました。
ドライノーズ®とは、鼻の粘膜が乾燥状態になっている乾燥性鼻炎のことです。
空気が乾燥した場所で鼻から息を吸うとムズムズした感触があり、同時にピリピリとした痛みを感じることもあります。
もし鼻水がかさぶた状になっているのであれば、さらに症状が進行しているサインです。出血や炎症の原因となることもあります。
ドライノーズ®を引き起こす原因には、以下のように生活環境や治療薬の使用が関係していることもあります。
暖房・冷房が効いた部屋や、空調設備が整った室内に長くとどまっていると、湿度が著しく低下します。
つまり「エアコンは効いているけど、加湿対策をしていない」場所は、空気が乾燥しやすいということです。
このような場所で過ごす時間が多いと、鼻の粘膜も乾燥しやすくなります。
冬はとくに空気が乾燥しやすく、水分補給を怠りがちなので注意が必要です。
アレルギー治療用の点鼻薬をよく使う人もドライノーズ®をおこすことがあります。点鼻薬を使用する際は用法をよく確認し、使いすぎないようにしてください。
ドライノーズ®になってしまったときの対処には、次のような方法があります。
市販されているドライノーズ®用のスプレーを使うことで、乾燥した鼻粘膜をうるおすことができます。
また、鼻粘膜が乾燥すると自浄作用が低下しやすくなります。汚れた鼻粘膜をきれいにするためにもドライノーズ®スプレーは役立ちます。
暖房や冷房が効いた部屋で長時間過ごす場合は、マスクをつけて対処しましょう。マスクをすると乾燥した空気が直接入ってこなくなります。
濡らしたガーゼを当てたマスクをつけると、ガーゼから蒸発した水分で潤すことができるので、さらに効率よく保湿できるでしょう。
空気が乾燥した場所で過ごすときは、加湿器を使いしっかりと加湿をしましょう。お風呂に入るときは、湯船にお湯をはっておき、ゆっくりつかるだけでも保湿効果が期待できます。
ドライノーズ®になってしまった場合には、次のような注意点を守りましょう。
「鼻の中が痛い」「鼻血が出やすくなった」という症状があるときは、まず鼻の中を触らないことが大切です。
気になってティッシュペーパーを入れたくなりますが、力いっぱいに入れると鼻の中の粘膜に小さな傷をつけてしまう可能性があります。傷がさらに大きくなってしまうこともあるため注意が必要です。
ドライノーズ®の症状が進行すると、鼻の粘膜でウイルスを防げず喉の方まで入り、風邪をひいてしまうなど別の症状の引き金にもなります。
他の病気にかかってしまう前に、ドライノーズ®用のスプレーや加湿対策で症状を落ち着かせ、マスクや手洗いなどの感染症対策をしましょう。
ドライノーズは加齢にともなう粘膜の衰えや空気の乾燥などの外的な要素で特別な治療が必要でないことがほとんどですが、思わぬ病気が背景にあることもあるので油断はできません。
以下のような病気はドライノーズを引き起こすことがありますので、思い当たる場合はできるだけ早く病院で治療を受けるようにしましょう。
ドライノーズ®は重大な危険を感じるような病気ではないため、たいしたことではないと軽視しがちですが、放っておくと症状が悪化してしまうこともあります。
空気が乾燥している生活環境にある人は特に重要です。
ドライノーズ®になってしまう前に、マスクや加湿器を使った対策で加湿を心がけ、症状が軽いうちに進行を抑えておきましょう。