ベーカー嚢腫はどうやって治せばいいの?マッサージで治せる?

2017/11/13 記事改定日: 2019/9/2
記事改定回数:3回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ベーカー嚢腫とは、膝の後ろ側の滑液包に水が溜まり膨らんでしまう状態です。強い症状が起こらないことがほとんどですが、膝が曲げにくくなってしまい日常生活に支障をきたしてしまう可能性があります。この記事ではベーカー嚢腫の基礎知識について紹介しています。

ベーカー嚢腫の特徴は?

ベーカー嚢腫とは、膝の後ろにある滑液包といわれる袋で炎症が起こり、その袋に水が溜まることにより生ずる腫瘤です。膝の裏が腫れ、膝を曲げる際に圧迫感や違和感がでたり、正座しにくくなったり、腫瘤のため痛みやしびれといった症状が特徴ですが、必ずしも症状が伴うわけではありません。50歳代以降の女性に多いですが、4歳から7歳の子供に発症することもあります。

 

滑液包とは、関節にある少量の液体(滑液)を含んだ袋で、皮膚、筋肉、腱、靭帯などと骨がすれる部分に位置し、摩擦を軽減させる働きがあります。さまざまな関節の近くに存在し、膝関節には10数個の滑液包があるといわれています。滑液包に水が多く溜まってくると、内圧が高くなって強い痛みが生じたり、周囲の静脈に炎症を起こして腫瘤ができたりすることがあります。また、変形性膝関節症、関節リウマチ、痛風といった疾病によって、二次的に滑液包炎を起こしやすくなります。

ベーカー嚢腫の症状は?

ベーカー嚢腫の主な症状として、以下のようなものがあります。

  • 膝の裏やふくらはぎに柔らかい腫瘤を触れる
  • 膝の曲げ伸ばしの際に痛みや違和感が生じる
  • 膝の裏やふくらはぎに慢性的な痛みが生じる

これらの症状がある場合は、放置せずに整形外科を受診しましょう。

ベーカー嚢腫は、まれに嚢腫の内圧が上昇することで破裂し、嚢腫内に溜まっていた液体が周辺の組織や血管に広がって炎症を引き起こすことがあります。また、嚢腫が大きくなると膝の裏にある膝窩静脈を圧迫して血管炎を引き起こし、血栓症などの原因になることもあるため、適切な治療が必要です。ベーカー嚢腫がある人で、片方の下腿に突然の痛みや腫れ、発赤が見られたときは注意が必要です。速やかに病院へ行きましょう。

ベーカー嚢腫の治療法は?

ベーカー嚢腫は、特に症状がなければ治療の必要はありません。ただし、膝関節の可動域制限や痛みなどがある場合には注射器で内容物を吸引する治療を行います(穿刺)。

一回の穿刺で症状が収まることもありますが、数日で再発を起こすことも多く、再発を繰り返すようなら炎症を抑える注射や飲み薬を用います。強い症状がなければ、時々穿刺を繰り返しながら経過を見ていくことになるでしょう。

また、関連する膝関節炎がみられる場合には治療が行われます。手術が行われることは多くありませんが、痛みが非常に強い場合などには外科的手術で嚢腫を切除することもまれにあります。また嚢腫がさらに大きくなり、静脈閉塞を引き起こすような場合も外科的処置が必要になります。

ベーカー嚢腫はマッサージで治る?

バーカー嚢腫はリンパマッサージなどでうっ滞していたリンパ液の流れが改善し、縮小することもあります。一方、間違ったマッサージを行うと嚢腫の内圧を高めたり、嚢腫を直接圧迫してしまうことで嚢腫の破裂を引き起こすことがあります。

自己流でのマッサージは大変危険ですので、ベーカー嚢腫が疑わしい症状や腫瘤がある場合は整形外科を受診して適切な検査・治療を受けるようにしましょう。

おわりに:自己流のマッサージは危険。医師と相談しながら、状態にあった治療をしていこう

ベーカー嚢腫は、痛みがなければ必ずしも治療を必要としませんが、診断をかねて嚢腫の穿刺を行い、内容物を吸引することもあります。また、痛みがある場合や日常生活に支障がある場合は、手術で摘出するケースもあります。

自己流でマッサージすると嚢腫が破裂するおそれもあるので、必ず整形外科を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。

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