記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/14
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
外反母趾の原因のひとつに偏平足がありますが、原因はこれだけではありません。外反母趾は原因から改善することが大切です。この記事では外反母趾の原因について詳しく解説しています。外反母趾で悩んでいる人は症状改善のヒントにしてください。
外反母趾とは、足の親指が小指の方へ曲がり、親指の付け根の関節が「く」の字状に外側に飛び出して、痛みが出たり、赤く腫れたりする症状をいいます。
足の土ふまずには通常、縦アーチと横アーチがあります。これらのアーチが崩れて扁平足になると、足根骨(足首に近い小さな骨の集まり)が下に落ちんでしまうことで親指の中足骨(親指につながる細長い骨)が扇状に開いてしまい、外反母趾になりやすくなる可能性があると考えられています。
正しい歩き方は、かかとを地面に着けて足の指まで体重移動させ、指で地面を蹴ります。
外反母趾の人は、足の指で地面を蹴る歩き方ができていなかったり、つま先側だけに重心が偏っている人が多いといわれています。このような状態だと体重がうまく分散されなくなってしまうため、足の一部に過度な負担がかかってしまい外反母趾になりやすくなると考えられています。
外反母趾の一番の原因は合わない靴を履くことと考えられています。足に合う靴とは、歩行時に違和感なく自然に歩くことができ、ずれたり締め付けたりしないものです。幅が狭く、つま先が細い靴を履き続けていると、親指のつけ根から先が圧迫されて変形が進みます。また、ハイヒールを履くとつま先だけで着地する歩き方になってしまうため、親指の付け根にかかる負担が増加し、変形をさらに強くします。
また運動不足や老化などで足の筋肉が低下すると、アーチが崩れやすくなり足にかかる負荷をうまく吸収できなくなるため、外反母趾の悪化を招くと考えられています。
正しい姿勢で歩く習慣を身につけ、足の筋力を強化することは外反母趾の予防になります。心がけたいのは、足指を意識しつつ大股で歩き、かかとから着地するようにすることです。さらに、上から吊られているようなイメージで上半身をまっすぐにして、肩の力を抜き、全体のバランスをとるようにしましょう。普段からこういった歩き方を意識して、筋力低下防止のためなるべくウォーキングの機会を持つようすることをおすすめします。
ただし、痛みがあるときに無理に歩くと悪化する可能性があるので、必ず医師に相談してから運動するようにしてください。
足の親指を引っ張ると角度が元に戻るような初期の外反母趾であれば、日常の体操も有効な場合もあります。専門医に相談しながら、自分にあった体操やエクササイズを続けていきましょう。
自分に合った靴を履くことも重要です。サイズ、横幅、かかとがフィットしているか、つま先が曲げられるだけの高さの余裕があるかというポイントを押さえた靴を選ぶと、足に負担がかかりません。つま先にかかる負担を軽減するために足底板(靴の中敷き:インソール)を利用してもいいでしょう。
外反母趾が発症する要因は、合わない靴や間違った歩き方、運動不足がもたらす筋力低下などさまざまです。症状がひどくなる前に専門医を受診して原因を突き止め、最適な予防策を講じましょう。