外反母趾の症状を改善するための治療方法とは

2017/11/13

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

外反母趾とは、足の親指が小指側に曲がってしまい、根元に痛みが生じる疾患です。女性に多いとされている外反母趾を治す方法はあるのでしょうか。この記事では、外反母趾の治療方法やセルフケアについて解説しています。

外反母趾の症状

外反母趾とは、その字の通り母趾(足の親指)が外側(小指側)に反ってしまっている状態を指します。第2趾の方向に「く」の字に曲がり、足の親指の付け根の骨が内側(反対の足側)に突出することで、「バニオン」という「たこ」ができることも珍しくありません。

足の親指の付け根や、靴にあたる内側の突出部だけでなく、悪化すると第2趾、第3趾の付け根の裏や足の甲に痛みが生じることもあります。外反母趾になっても普段通り生活できる人が多いですが、脱臼したり歩行が困難になったりするケースも見られるため注意が必要です。

なお、外反母趾は、ハイヒールを履くなどの足に負担をかける行為が原因になることが多く、発症の男女比は1:10と、女性の割合が多い疾患とされています。

外反母趾のセルフケア

外反母趾においては、適切な治療はもちろんのこと、日ごろから悪化しないようにするためのセルフケアをしたり、歩き方を改善したりすることが大切です。

・つま先がゆったりとしたヒールの低い靴を履く
先が細くかかとが高い靴を履いていると、足の指の付け根に負担がかかり、外反母趾になりやすくなります。ただし、足の指の付け根がゆったりし過ぎていると悪化するおそれがあるので、足の指の付け根には程良いフィット感があり、指先には動かせるゆとりがある靴を選びましょう。

・足の指でじゃんけんをする
足の指を開いたりぎゅっと閉じたりと、グー・チョキ・パーの動作を行います。

・足でタオルを引き寄せる運動をする(タオルギャザー)
椅子などに腰掛けて足の指を動かしながら、床に広げたタオルを自分のほうへ引き寄せる運動です。

・輪ゴムを使って足先を開く運動をする
両方の足の親指に輪ゴムをかけ、引っ張り合うように足先を開きます。

セルフケアで治らない場合は手術も検討

セルフケアを行っても治らない場合や、悪化して強い痛みを生じる場合、歩行など日常生活に支障をきたす場合は、手術を行うことも検討されます。外反母趾に対して行われる手術は100種類以上あるとも言われ、症状に合わせた手術法が選択されます。

一般的によく行われているのは、「中足骨遠位骨切り術」「中足骨近位骨切り術」と呼ばれる、第1中足骨(足の親指の足首側にある細長い骨)を骨切りし、軸を矯正する手術です。手術の翌日にはかかとをつくなどして歩行可能ですが、リハビリが必要で、普通の靴を履いて歩けるようになるまでには2ヶ月ほどかかるとされています。また、最近では、中軽度の外反母趾に対してはより負担が少ない「DLMO(デルモ)法」という骨切り術も行われています。

痛みへの対症療法も効果的

歩きづらいなど痛みによって生活に支障が出てくるようなら、痛みを抑えるための対症療法も必要です。対症療法には、以下のようなものが挙げられます。

・インソールを使う
外反母趾では、足の裏のアーチが崩れ、偏平足になっていることがあります。足底板(アーチサポート)と呼ばれるインソールを靴の中に敷くことでアーチを作り、外反母趾の悪化を予防したり痛みを抑えたりします。足の形やアーチは人それぞれ異なるため、インソールはオーダーメイドが望ましいです。

・テーピングをする
専用のパッドやテープなどを足に装着し、足の動きをサポートしたり痛みを感じにくくしたりします。ただし、矯正効果はあまり期待できず、こちらも痛みを抑えるための方法のひとつです。

なお、痛みの度合いによっては鎮痛剤を処方されることもあります。

おわりに:セルフケアで痛みが治まらないときは病院での治療を検討しよう

外反母趾が原因で起こる痛みには個人差があり、日常生活に影響しない程度の人も多いです。セルフケアである程度の改善がみられることもあるので、この記事を参考にしながら取り組んでみてください。
ただし、セルフケアで改善しない場合や、歩行に支障をきたすほど痛みが強い場合は医療機関での治療が必要な場合もあります。我慢しすぎは禁物です。早めに病院を受診し適切な治療を受けるようしましょう。

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