構音障害とは ~ うまく発音できないのはどうして? ~

2017/11/28

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

発音に難を抱えてしまう「構音障害」。この構音障害は、いったい何が原因で起こるのでしょうか?治療法と併せて解説していきます。

構音障害とは

構音障害とは、一口にいうと発音がうまくできない状態を言います。人は生まれて数か月で喃語を発するようになり、その成長段階の中で発音や言葉を習得していきます。最も発音の難しいと言われているサ行、ザ行、ラ行なども4~6歳までには習得すると言われており、もし就学時になってもこれらの発音がうまくできていなければ、構音障害の疑いがあります。

構音障害の原因ははっきりしているものから全く原因の分からないものまで様々ですが、放置しているとコミュニケーションがうまくとれずに自信を失ったり、引っ込み思案になったりする可能性も高いため、早期に対処する必要があります。

構音障害が起こる原因

構音障害はいくつかのタイプに分類されます。

まず、口蓋裂や口唇裂のような先天的な異常や事故、病気などによって、発音に必要な器官の損傷をしたことが原因で起きるものを、「器質性構音障害」と呼びます。これらは原因となっている状態を治療することで改善が期待できます。

またパーキンソン病、脳卒中、頭部外傷による神経系の問題に起因するものを「運動性構音障害」と呼びます。これらでは、発音以外でのコミュニケーションの手段を考えることも必要となるでしょう。

最後に、器官や形態、神経障害は認められないが発音をうまく行えないものを「機能性構音障害」と呼んでいます。機能性構音障害の中には、ネグレクトなどで言葉を教えてくれる人が周囲にいない等の言語環境の問題や、運動機能の発達自体の遅れ、知的障害による言語発達自体の遅れなど、様々な原因が含まれています。

構音障害の治療法

構音障害の治療はその原因別に大きく異なります。

まず器質性構音障害の場合は、原因となる状態の処置を優先します。例えば口蓋裂が原因の場合、手術を繰り返して裂孔部分を閉じ、正しい発音をする治療を行うと就学時までには約8割が正しい発音ができるようになると言われています。

次に運動障害性構音障害に対しての治療では、残存機能をフルに活用して言葉を組み立てる方法を一人一人に合わせて訓練を行います。舌、唇、筋肉をうまく活用して音を出せるように訓練するのですが、十分な効果は期待できない場合もあり、他のコミュニケーションツールを用いることも重要になってきます。

最後に機能性構音障害の場合は、その状態によって治療方法が異なります。発育遅滞や知的障害のある場合は、状態を見極めてからの言語聴覚士による訓練が、環境的要因のある場合は家族の協力などがそれぞれ必要になっていきます。

なお、言語聴覚士による訓練とは構音器官の使用方法を体に教え込むという方法が中心になります。息を吐く、吸う、吹きかける、噛む、舐める等々、幼児の場合は楽しく参加できるようにゲーム感覚で行います。治療は気長に続けること、本人を責めないことが大切です。

おわりに:構音障害の種類によって、原因や治療法はさまざま

構音障害の原因や治療法は、構音障害の種類によって異なります。いずれにしろ早期の対応が改善につながっていくので、お子さんの発音を聞いて「もしかして?」と思ったら、早めに病院へ連れていきましょう。

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