記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/22 記事改定日: 2019/4/1
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
変形性頚椎症とは、加齢(老化)が原因で首の骨(頚椎)が変形してしまい、痛みやしびれ、麻痺などの神経症状が現れることです。ひどいときには日常生活がままならなくなってしまうこともあります。
ここでは、変形性頚椎症の原因について説明していくので、気になる症状がある人は予防対策に役立ててください。
変形性頚椎症とは、椎間板の変形などが原因で頚椎(首の骨)に骨棘ができてしまう病気です。骨棘が神経を刺激したり圧迫すると痛みやしびれ、麻痺などの症状が現れます。
疲労や加齢などが主な原因とされ、肩こりなどの軽い症状しか現れないこともありますが、症状がひどいときには日常生活に支障をきたし、手術が必要になるケースもあるので注意が必要です。
首の上に頭があるため、首の骨は常に重さのある頭を支える必要がありますが、頚椎の間にある椎間板がクッションの役割を果たすことで首をスムーズに動かすことができるのです。
しかし加齢や体勢の不均衡、物理的な負荷などが原因で、骨と骨のクッションの役割をしている椎間板が変形してしまうと、椎間板のクッション機能が十分に働かなくなるためこのメカニズムが上手く機能しなくなります。
すると椎骨同士が直接ぶつかるようになってしまい、この状態が長期間続くことで、骨棘形成などの変形が起こってしまうのです。骨棘が神経を刺激したり圧迫すると痛みやしびれ、麻痺などの症状が現れます。
変形性頚椎症は中年以降に発症することが多いですが、もちろん若い世代の人がなることもあります。
若い世代で生じる変形性頚椎症は、生まれつき椎間板の組織が脆弱でヘルニアになりやすいこと、事故や転倒などによって頚部に強い外力が加わったことなどが主な原因となります。
また、糖尿病や肥満などによって発症リスクが高まると考えられる後縦靭帯骨化症などの頚椎やその周辺に生じる病気が原因になることもありますので注意しましょう。
変形性頚椎症になると、首の周りの痛みや、肩の凝りといった症状が起こります。首だけでなく背中まで痛みが広がる場合もあり、悪化すると腕や手にしびれがでるようになります。また、首の骨にある神経に刺激が加わると症状が大きく現れるため、首を動かしたときや運動をしたときなどに症状が変化することが特徴です。
痛みやしびれなどのはっきりした症状ではなく、首を回したりするとどこか引っかかるような感じがする「違和感」として現れることもあります。
通常、動かすと痛みは増して横になって安静にしているときは痛みが軽減しますが、神経の刺激や圧迫が軽くなる動きや体勢をとったときに症状が軽くなることがあります。
変形性頚椎症の治療は痛みの除去を目的とした投薬治療が中心です。症状にあわせて、消炎鎮痛剤や筋弛緩剤などを使用して症状を抑えて経過を観察します。
また、温熱療法や電気治療などの物理療法で症状が軽減するケースもあるため、取り入れている医院多いようです。首を動かす度に痛みが起こるような場合は、首にカラーをつけて安静を保つ場合もあります。
このような保存療法で症状の改善がみられない場合は、神経を圧迫している変形部位を取り除く手術が検討されることもあります。
上記のような病院での治療以外にも日常生活の中での対処も大切です。
以上のようなことに気をつけながら、回復を促していきましょう。
ただし、間違ったトレーニングをすると症状が悪化してしまう可能性があるので注意が必要です。トレーニングやストレッチは、必ず医師や理学療法士に許可をもらってから行うようにしてください。
変形性頚椎症は加齢が原因であり、多かれ少なかれ誰にでも起こる身体の変化です。そのため、骨の変形がひどくならないように日常生活で工夫しながら、うまく付き合っていくことが重要になります。ただし、痛みやしびれ、麻痺などが原因で日常生活に支障があるときは手術が必要になることもあります。
定期的に整形外科で状態をチェックしてもらい、医師と相談しながら自分にあった対処法を実践していきましょう。