胸膜炎の治療法を種類別に解説します

2017/11/21

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

胸膜炎とは胸腔内に胸水が過剰に溜まることで、痛みや呼吸困難などの症状が起こる病気です。病気が原因になることが多く、原因となる病気ごとに治療方法も違ってきます。治療方法を原因ごとに分けて解説していくので参考にしてください。

胸膜炎について

人が呼吸をするときには、肺が膨らんだりしぼんだりします。そのときに肺が横隔膜や胸郭と擦れるのを防ぐために、肺の周りに臓側胸膜が、胸壁の内側には壁側胸膜という2枚の胸膜が覆っており、2枚の胸膜の間にある胸水が潤滑液の役割を果たしています。この胸膜に炎症が生じると、胸腔内の胸水過剰に溜まってしまい、呼吸困難や痛みといった症状が出てきます。これが胸膜炎です。

胸膜炎は大抵の場合、原因となる病気があり、その病気はなかなか治るものではないので、そのまま放置していても自然治癒することはほとんどありません。風邪のような症状がなかなか治らないときは胸膜炎の可能性があるので、総合病院の呼吸器科など専門性の高い医療機関で検査をしてもらいましょう。

そのまま放置していると、命を落とす危険性がありますし、命が助かっても後遺症として慢性的に呼吸に問題が出ることがあります。

胸膜炎の代表的な症状とは?

胸膜炎になると、胸腔内に溜まった胸水が胸を圧迫して痛みが出てきたり、肺が膨らみにくくなって息切れや呼吸困難といった症状が出てきます。咳と一緒にたんがよく出ることも症状の一つです。重症化すれば体に酸素が行き渡らなくなり、唇や指先などが紫色になるチアノーゼがになり、脳の酸素が不足した場合は意識障害が起こることもあります。

また感染症が原因の場合は、発熱や悪寒、空咳、全身の倦怠感などが出てきます。胸膜炎が「がん」によるものの場合は、胸の痛みなど自覚症状は現れないことが多いです。症状が出てきたときにはもう治療ができないほどにがんが進行していることも少なくありません。

発熱や空咳などは、風邪の症状と似ているので間違えやすいですが、風邪であれば1週間程度あれば改善するので、病院に行くタイミングの目安にしてください。

胸膜炎の治療法は、原因によって違うの?

胸膜炎の治療は、原因によって治療法が違ってきます。
胸膜炎の原因には、大まかに分けると結核性、細菌性、膠原病性、がん性(悪性)の4つ及びそのほかに分類されます。割合としては結核性とがん性だけで過半数を占めるといわれています。

結核性胸膜炎の治療は、原因となる結核菌を退治するための抗結核菌治療薬が用いられ、胸水を減らすために抗炎症作用を持つ副腎皮質ステロイドが投与されることもあります。

細菌性の場合の治療法は、結核菌と同様にその原因となる菌を退治するための抗菌薬が用いられます。溜まった胸水を抜くために胸腔内にチューブを差し込むこともあります。

膠原病性の場合には、膠原病の治療と同じく免疫抑制剤やステロイド剤で症状を抑えるやりかたになります。しかし、膠原病は完治が難しい病気のため、将来的には胸膜炎も重度になることがあります。

がん性の場合の治療は、チューブで胸水を抜いて息苦しさなどの症状を緩和させ、抗がん剤を投与してがんを治療していきます。上記でも触れたように、がんが原因の胸膜炎は発見が遅れる傾向があり、治療が困難になるケースが多いです。治療後の経過はあまり良くないといわれています。

おわりに:胸膜炎の治療は原因ごとに違う。早期に治療を始めるためにも、早めに専門の医療機関に相談を

胸膜炎は原因ごとに治療方法が異なりますが、治療が遅れると治療期間が長引いたり治療が困難になってくるのは同じです。風邪に似た症状が1週間以上続く場合は、念のため病院を受診するようにしましょう。

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