原因不明の咳や痰が出続ける・・・慢性気管支炎とは?

2017/11/22

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

慢性気管支炎は肺気腫とあわせて慢性閉塞性肺疾患(COPD)と呼ばれている呼吸器疾患です。せきやたんが長期間続き、悪化すると呼吸困難を何度も起こすようになります。この記事では慢性気管支炎の基礎知識を紹介しています。

慢性気管支炎とは?

慢性気管支炎は、風邪やインフルエンザなどを長引かせた時に咳やたんなどの呼吸器症状が起こる急性気管支炎とは違い、何らかの原因で気管支に起こる慢性の炎症によって、咳やたん、息苦しさなどが2年以上にわたって続き、その症状が毎年3ヶ月以上続けて起こる症状の病気を指します。
現在は、肺気腫とあわせて慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)と呼ばれています。

慢性気管支炎になるとどんな症状が出るの?

慢性気管支炎になると、咳やたんが長期間にわたって治まらず、気管支に生じた炎症による腫れが原因で気道が狭くなり、しだいに息切れや呼吸困難などの症状が出るようになります。
呼吸が上手く行かないことで血液中の酸素が欠乏するため、皮膚や粘膜が青紫色になるチアノーゼや、爪の付け根が隆起し、へこみがなくなった状態となるばち指という症状が起こることがあります。また微熱が続き、肺炎を起こしやすくなるという特徴や頚動脈がぱんぱんに腫れてしまう頚動脈怒張が見られることもあります。

慢性気管支炎はどうやって治療するの?

 

急性気管支炎の治療は、細菌が原因のものは抗菌薬の投与が行われますが、基本的には症状を抑えるための対症療法が中心です。

一方、慢性気管支炎の治療は、主な要因が喫煙があることから、まず禁煙を徹底することが治療の基本となります。タバコを吸っていない人や既に禁煙をしている人で症状を繰り返しているが人へは、気管支拡張薬やステロイド薬の吸入が行われることもあり、たんがひどいときには去痰薬が処方されることもあるでしょう。
また、薬の使用や喫煙だけでなく、呼吸リハビリテーションや運動療法、栄養療法も重要です。

症状が悪化すると、人工呼吸器が必要になり、状態によっては肺の切除手術が検討される場合もあります。

慢性気管支炎を防ぐには?

 

慢性気管支炎に罹るリスクを高めてしまう最大の因子は喫煙です。タバコ以外の原因としては粉塵や大気汚染などが挙げられますが、慢性気管支炎を含むCOPD患者の90パーセント以上が喫煙者であることから、慢性気管支炎を防ぐには、喫煙者の場合、禁煙に勝る予防方法はないといえるでしょう。

発症するリスクは、喫煙開始年齢、喫煙本数、喫煙年数などが関係していて、早く段階で喫煙を始め、トータルの喫煙量が多い人ほど発症リスクが高いといわれています。これは受動喫煙にもいえることなので、粉塵なども含め原因となるような物質を避けるように工夫をしましょう。

おわりに:慢性気管支炎の原因はタバコ。早期に禁煙を開始して予防と悪化防止に努めよう

慢性気管支炎が進行すると、呼吸困難などを度々起こすようになり、チアノーゼやばち指などが現れるようになります。人工呼吸器の使用や手術が必要になるケースもあるので、発症の予防や症状の進行を防ぐ対策が重要です。禁煙はもちろんですが、粉塵など症状を悪化させる要因を避けるような工夫を日ごろから怠らないようにしましょう。

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