ベジタリアンには種類があります!ベジタリアンのタイプ分類

2017/3/16

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

大乗仏教の非暴力の実践として肉を食べない思想は古代インドに遡り、紀元前のギリシャでも、輪廻思想により動物と人間は同等と考え、菜食を実践していました。
そんな菜食主義者を意味するVegetarian(ベジタリアン)という言葉がはじめて世に出たのは、1847年。
肉や魚は食さず、穀物、野菜、豆類を中心とした食生活の実践を提唱する運動が展開され、イギリスでベジタリアン協会が発足した年のことでした。

そして、生命の尊厳を旨とするアニマルライツの考えからスタートした菜食主義は、今、環境問題や食料問題が世界規模で大きな問題になるにつれ、新しいムーブメントを生み出しています。

環境保全や途上国援助のために菜食を選択する『地球市民型ベジタリアン』の出現です。
今回は、そんなベジタリアンのあれこれについて書いていきます。

ベジタリアンのさまざまなタイプ

ベジタリアンは、ベジタブル(野菜)から派生している言葉ではなく、ラテン語のVEGETUS(活気のある・生命力に満ちあふれる)と言う語源から来ています。つまり、単純に、野菜しか食べないからベジタリアンと呼ぶのではなく、「健康で活力に満ちた人」と言う意味になります。

また、アメリカ栄養士学会では、『動物性の食品を避け、穀物、豆類、種実類、野菜、果物を中心とした食事から栄養を摂る人』と定義され、 肉・魚は摂らずに乳製品を摂ったり、魚は食べるベジタリアンもいます。ベジタリアンが増加するにつれて、さまざまな名称のベジタリアンが現れています。
以下に、ベジタリアンのタイプを紹介します。

乳卵菜食主義者(ラクト・オボ・ベジタリアン)

乳卵菜食主義者は、植物性食品に加え、乳製品と卵の両方を食べます。ベジタリアンの最も一般的なタイプで、欧米のベジタリアンは大半がこのタイプです。
ラクトは乳製品、オボは卵を意味します。

乳菜食主義者(ラクト・ベジタリアン)

ラクトというのは乳製品を意味し、乳菜食主義者は乳製品は摂取しますが、卵は避けるタイプになります。

卵菜食主義者(オボ・ベジタリアン)

卵菜食主義者は、卵は食べますが、乳製品は摂取しません。

完全菜食主義者(ビーガン)

動物に苦しみをあたえることへの嫌悪感から、動物性食品を一切取らず、蜂蜜も取りません。それだけではなく、皮製品・シルク・ウールなどの洋服をはじめ、動物由来の成分が含まれている薬品・化粧品も使いません。

ダイエタリー・ビーガン (Dietary Vegan)

植物性食品のみの食事をする点はビーガンと同じですが、食用以外では、動物由来の製品を利用します。

フルータリアン (Fruitarian)

ビーガンとは異なり、果物など木になる実しか食べません。木の実は収穫しても、その樹木自体は死なないが、土から収穫する野菜は、収穫すればら何も残らなくなるため、死んでしまうと考えるようです。

おわりに

明治維新に至るまで、日本人の食習慣の基本・伝統食は、茶碗一杯のご飯に一汁一菜というベジタリアンに近い食事でした。
だからといって、今より長寿だったというわけではないんですが、生活習慣病になる人は圧倒的に少なかったのは事実です。

昔のような伝統的な和食プラス、豆腐や納豆などの豆料理を食べれば、理想的な栄養バランスが実現でき、生活習慣病の予防になります。

いきなりベジタリアンになるのは無理でも、わたしたち日本人がベジタリアン的な食事を摂るのは、刻み込まれたDNA的に難しくはありません。たまには、肉を食べるのをやめて、伝統食を試してみるのもいいかもしれません。

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