風邪で鼻水が黄色っぽくなったり、ネバネバしたりするのはどうして?

2017/11/29 記事改定日: 2018/3/30
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

鼻水が止まらなくなったり、咳やのどの痛みが出てきたりすると、「ひょっとして風邪を引いたかな・・・」と思うかもしれません。風邪を引くたびに疑問に思うのが、鼻水の色が変化すること。もしかすると、最初はさらさらとした水っぽい鼻水がだんだん黄色や緑色っぽくなると、風邪が治りかけている、という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。鼻水の色が変わると、本当に治り始めているのでしょうか。また、どうして風邪を引くと鼻水の色や性質が変わるのでしょうか。この記事で解説したいと思います。

風邪をひくと、鼻水はどう変わっていく?

風邪の初期症状として鼻水が出るのは、鼻の粘膜に付着したウイルスを体の外に出そうとしているためです。ウイルスが鼻の粘膜を刺激するので、さらさらとした水っぽい鼻水を分泌してこれを洗い流そうとしています。

このさらさらとした鼻水が数日続いた後、粘り気のある黄色っぽい鼻水へと変化します。鼻水の色が変わるのは細菌が原因だと思う人が多いのですが、この色の変化はウイルスと戦って死滅した白血球や免疫細胞がたくさん含まれているためです。つまり、鼻水の色の変化は、今まさに白血球がウイルスと闘っている状態を現すもので、必ずしも治り始めている訳ではありません。

鼻水の色が緑色のときは?

鼻水の色が緑色っぽい場合、鼻水の中に膿が混じっている可能性があります。風邪のウイルスや細菌が副鼻腔に入って炎症(副鼻腔炎)を起こしている可能性があります。

副鼻腔とは?

鼻腔のまわりにある空洞で、頬の裏側にある上顎洞(じょうがくどう)、目の間にある篩骨洞(しこつどう)、額の裏側にある前頭洞(ぜんとうどう)、鼻の奥にある蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)の4種類があります。

副鼻腔炎とは

副鼻腔炎とは、副鼻腔の粘膜に炎症が起こって膿汁が溜まっている状態です。副鼻腔炎は風邪などのウィルスや細菌が鼻の粘膜に感染することで起こり、粘りの強い臭いがする鼻水が出ます。

副鼻腔炎には、急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎があります。このうち、風邪によるウイルス感染の後に起こることが多いのが、急性副鼻腔炎です。一過性の症状で、回復するにつれて鼻水の色が濃くなるとも言われています。

一方、急性副鼻腔炎が進行すると慢性副鼻腔炎になります。蓄膿症と呼ばれることもある症状で、鼻水以外の症状に鼻づまりや頭が重く感じる、などがみられます。

副鼻腔炎が慢性化すると、蓄膿(ちくのう)症になる恐れがあります。副鼻腔炎が自然に治ることはないので、緑色がかった鼻水がしばらく続くようでしたら、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

風邪のときに鼻水が出る原因は?

人間の体は、外からウイルスや細菌などが侵入しようとすると、これらを体の外に追い出そうとして、発熱などの防御反応が起こります。それと同様に、鼻の粘膜にも細菌の侵入を防ごうとする働きがあります。

鼻水は、鼻やのどから侵入する風邪のウィルスや細菌を体の外に追い出そうとしたことが原因で出てくるものです。そのため、風邪の初期段階では鼻水や鼻づまりが現れることが多くなるのです。

鼻水が出たときの対処法は?

鼻水の原因が風邪とわかっている場合、風邪薬を服用するのはもちろん、十分な睡眠をとることや、栄養バランスのとれた食事を摂ることが、悪化を防ぐのに効果的です。

鼻水には体から追い出したいウイルスや細菌も含まれているので、すすらないでしっかりと鼻をかんで外に押し出すことが大切です。ただ、鼻を強くかみすぎると中耳炎を引き起こすこともあるので、片方ずつ、静かに行いましょう。それでも症状が長引くようでしたら、副鼻腔炎の可能性があるので、早めに耳鼻科で診てもらうことをおすすめします。

鼻水が原因で咳が出ることがあるの?

副鼻腔炎などが原因で鼻水がのどに落ちる量が増えると、気管支に入り込んで咳き込んでしまうことがあります。この症状が出ると、副鼻腔気管支症候群を発症している可能性があります。

副鼻腔気管支症候群は、慢性気管支炎やびまん性汎細気管支炎・気管支拡張症といった慢性の下気道炎症に、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)が合併したものです。副鼻腔炎になると、鼻水がネバネバしてきます。この鼻水がのどのほうに流れてしまうことを「後鼻漏(こうびろう)」と言います。後鼻漏を起こすと、気管支が鼻水を追い出そうとするために咳が出ます。

鼻水や鼻づまりに加えて、寝ているときや朝になると咳がひどくなったり、呼吸困難を伴わない咳が長引いている場合は、副鼻腔気管支症候群を発症している可能性があります。なるべく早く、耳鼻科医の診察を受けてください。

おわりに:鼻水が長引いたり、咳き込んだりするときは早めに病院へ

風邪のときに鼻が詰まったり、鼻水が出たりすると、呼吸しづらくなるので辛いですよね。今のところ、風邪の特効薬はないので、栄養バランスが取れたものを食べてゆっくり休みましょう。また、もし鼻水が長引く場合や、鼻水の色や臭いに変化があったときには副鼻腔炎の可能性があるので、早めに耳鼻科など、専門医を受診してください。

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