記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/28
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
胃腸炎の症状が強く出ているときは、食事もままならないこともあります。では症状が落ち着いてきたとき、どんな食事を摂れば良いのでしょうか。おすすめの食事や注意すべきポイントについてご説明します。
胃腸炎によって嘔吐・下痢が多い場合、初期のうち(およそ1~3日の間)は絶食することが望ましいです。ただし、小児や高齢者は体力の低下をきたしやすいため、絶食期間は短くしましょう。なお、絶食中は脱水症状にならないように、水分補給は十分に行うことが重要です。水分としては、スポーツドリンクや麦茶、白湯などがおすすめです。
症状が少し落ち着いてきたら、食事を再開しても構いません。ただし、回復期は消化の良い食べ物が基本となります。下痢を伴うため、不溶性食物繊維を含む食品の摂取は控えてください。
胃腸炎の回復期の食事は、消化の良い食べ物を基本としましょう。具体的にどのような食品や料理が適しているのかご説明します。
消化・吸収の良い糖質を中心とした食事を心がけましょう。たんぱく質は摂取しても構いませんが、肉・魚・卵は煮すぎると固くなって消化が悪くなるので、煮すぎないように気を付けましょう。
主食はお粥、うどん、パン(菓子パン・総菜パンなどを除く)が適しています。お粥や煮込みうどんにすることで、より消化が良くなります。たんぱく質を摂取する場合は、脂質が少なく消化が良い白身魚、鶏肉、ひき肉、卵、豆腐、はんぺんなどがおすすめです。野菜はじゃがいもなどの芋類、かぼちゃ、葉物の葉先などが適しています。
胃腸炎の回復期は、胃や腸に負担がかかる食べ物は避けましょう。主食でいうと中華麺やスパゲッティは、調理の際に油脂を使用することが多いので避けたほうが無難です。たんぱく質の中では、脂質の多い肉や魚、固い肉、大豆などは不向きです。どれも消化が悪く胃腸に負担を与えます。また、野菜のうち食物繊維の多いたけのこ、ごぼう、ほかに海藻類、こんにゃくなども避けてください。
また、刺激物や香辛料を使った料理、脂質の多い食事、アルコール・カフェインなどが入った飲み物、冷たすぎるものも避けてください。
胃腸に負担をかけないよう、消化しやすく調理するのがポイントです。ご飯はお粥にする、野菜は煮込んで柔らかくするなど工夫しましょう。回復するまでは糖質を中心に食べてください。脂質をあまり使用しない、和食がおすすめです。
嘔吐や下痢が落ち着いてきても、まだ胃腸は弱っています。いきなり普段通りの食事をしてしまうと、また症状が悪化する恐れがあるので注意しましょう。消化の良い糖質を中心に、脂質の少ない肉や魚、食物繊維の少ない野菜を上手に取り入れて胃腸の回復に努めてください。