猩紅熱(しょうこうねつ)にかかるとどんな症状が出てくる?

2017/11/27

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

子供の発症率が高い感染症の一種、「猩紅熱(しょうこうねつ)」。本記事ではこの猩紅熱について、発症したときの症状や治療法などをご紹介します。

猩紅熱(しょうこうねつ)ってどんな病気?

猩紅熱とは溶連菌(正式名称:A群β溶血性連鎖球菌)によって、全身に様々な症状が現れる感染症のことです。溶連菌はA群の他に、BからH群、KからW群までと幅広い種類がありますが、人間に感染するものはA群が90%以上を占めるとされています。

猩紅熱はなぜ発症する?

猩紅熱は、喉に感染した溶連菌が持つ発赤毒とよばれる毒素によって発症します。誰でも発症する可能性がありますが、特に学童期の子供に多いとされます。人同士の接触が増える場合に発生しやすく、主な感染経路としてはくしゃみや咳などの飛沫感染や、手指などからの接触感染があります。

猩紅熱にかかると、どんな症状が出る?

猩紅熱の原因菌である、A群β溶血性連鎖球菌に感染して数日の潜伏期を経た後に、急な喉の痛みと全身の倦怠感、発熱などの症状が現れます。同時期に紅色の点状もしくは粟粒程度の大きさの発疹が発生し、これらの湿疹は、首やワキ、鼠径部から発生が始まり、その後、胴体へと広がります。扁桃腺に白色の膜のような付着物が見られるのが特徴です。

その他にも、両頬が炎症を起こして赤くなる、口まわりが蒼白になる、口角炎が生じるなど顔面への症状も顕著です。また特徴的な症状として、舌の変化があり、発症直後は舌が白い苔に覆われますが、その後苔が取れ、苺のような舌に変化します。

発疹は全身に広がった後に、5〜6日で消え始め、1週間目頃から、胴体や四肢の色素沈着と顔面から米ぬかのようなカスが出始め、3週間目までに全身に広がります。合併症として、髄膜炎などの化膿性の疾患や、リウマチ熱などの非化膿性の疾患が生ずる場合もあります。

猩紅熱は、喉の菌を採取・培養し、A群β溶血性連鎖球菌の有無によって診断していきます。その他にも、迅速に診断できるキットがあります。キットの感度は約80%以上と比較的高めですが、菌量に影響するため、菌の採取方法が重要となっていきます。

猩紅熱はどうやって治療する?

治療では、ペニシリン系の抗菌薬を服用します。猩紅熱は感染力が比較的強いので、少なくとも10日以上確実に服用することが重要です。また再感染を防ぐために、症状が治ったからと自己判断で服薬をやめるのは必ず避けましょう。なお、場合によっては、腎臓の機能に影響が生じる場合があるので、長期の経過観察や回復後の尿検査も必要です。

おわりに:日頃のうがい、手洗いでリスクを低減

今回は猩紅熱についてご紹介しました。猩紅熱にはワクチンがないために、完全に予防することはできません。しかし、主な感染経路が飛沫感染などであるため、普段のうがいや手洗いでリスクを低減することも可能です。日頃から励行するようにしましょう。

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