血栓性外痔核の症状や原因は? 手術は必要なの?

2017/11/28

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

痔の一種である、「血栓性外痔核」をご存知でしょうか。この記事では、血栓性外痔核の原因や症状、治療法などを紹介していきます。

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血栓性外痔核とは?どんな症状があるの?

痔の種類には大きく分けて3つあります。内痔核、裂肛(切れ痔)と外痔核です。

まず内痔核は肛門の内側にできる痔で、痛みはありませんが出血を伴います。長期間放置すると大きくなり、排便時に外側へ飛び出すこともあり、この頃には痛みを伴います。次に裂肛(切れ痔)は、肛門が裂けることにより起こる、出血や痛みを伴う痔です。便が硬い時に肛門から出血した場合などはこれに当たります。そして外痔核は、皮膚と直腸の境の外側にできる痔で、痛みを伴います。

血栓性外痔核は、この外痔核の静脈の中に、血のかたまり(血栓)ができたものを言います。人間は立って歩行するため、もともと静脈がうっ血しやすい状態ですが、それに冷えや疲れ、寝不足、ストレスなどが加わって血流が悪くなると血小板がくっつきやすくなり、血栓ができやすくなるのです。

血栓性外痔核の主な症状は肛門付近の痛みと腫れで、出血することもあります。無理に触ったり、押し込もうとしたりすると、悪化することがあるので気を付けましょう。

血栓性外痔核になる理由は?

血栓性外痔核になる原因には、腹圧をかけることや食事、病気などがあげられます。特に長時間トイレに座って排便時にいきむと、血栓性外痔核になりやすいため、便秘や下痢にならないよう食事に気を付けましょう。

また、スポーツや重い物を持った時にお腹に力が入ることでなることもあります。トラック運転手など長時間同じ姿勢でいることが多い人や、妊娠・出産時に突然発症する女性もいます。

なお、香辛料やアルコールなどを過度に摂取することも、血栓性外痔核の発症リスクを高めるので注意が必要です。ほかに、肝硬変や精神神経障害を抱える人は発症しやすいともいわれています。

血栓性外痔核になったら、病院に行ったほうがいいの?

痔が小さく症状が軽度の場合は、自然治癒することもありますが、人によっては人工肛門の手術が必要になるなど、重篤な場合もあります。血栓性外痔核ができた時には病院を受診し、適切な治療を受けましょう。

なお、自然治癒した場合でも、肛門に違和感がある人は一度、肛門科や専門クリニックを受診し、状態を確認することをおすすめします。

完治するには手術が必要なの?

血栓性外痔核が大きく痛みが強い場合には、局部麻酔をして切除手術を行うことがありますが、基本的には手術の必要はありません。

先述のとおり、血栓性外痔核は小さくて軽度であれば、自然治癒することがほとんどです。ただし、痛みや腫れの症状がある時には病院を受診し、鎮痛薬や腫れを抑えるための内服薬を処方してもらいましょう。またほかに、軟膏や座薬などの外用薬や緩下剤が処方されることがあります。

おわりに:血栓性外痔核の症状があれば、まずは病院を受診しよう

血栓性外痔核はそのまま治る場合もありますが、重症で手術が必要な場合もあります。まずは病院を受診し、痔の状態を確認した上で、適した治療法について医師と相談しましょう。

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