肥厚性幽門狭窄(ひこうせいゆうもんきょうさく)症ってどんな病気?

2017/11/28

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

肥厚性幽門狭窄(ひこうせいゆうもんきょうさく)症は、生後2週間から3カ月くらいまでの赤ちゃんに起こる、ミルクを飲む度に大量に吐いてしまう病気です。以降で詳しく解説していきます。

肥厚性幽門狭窄(ひこうせいゆうもんきょうさく)症とは

肥厚性幽門狭窄(ひこうせいゆうもんきょうさく)症とは、生後2、3週間~3カ月くらいまでの赤ちゃんに見られる病気です。幽門筋という胃の出口の筋肉が厚くなったことで、飲んだミルクが腸に流れなくなり、ミルクを飲む度に吐いてしまいます。およそ1000人あたり1~2人の割合でみられ、生後すぐや生後半年経過後の赤ちゃんが発症することはほとんどありません。

肥厚性幽門狭窄症の症状の特徴は?

肥厚性幽門狭窄症になると、赤ちゃんはミルクを飲んだ後、そのミルクを大量に吐くという特徴があります。ただ、吐いた後も空腹のためにすぐにミルクを欲しがり、また飲むと吐く、ということを繰り返します。

症状が進行すると胃が出血を起こすこともあり、そうなると吐いたミルクが黒っぽくなったり血が混じったりするようになります。また、おしっこや便の回数も減り、脱水症状になりやすいので注意が必要です。嘔吐が続くと体液がアルカリ性に傾き、体重が増えず出生体重を下回ることもあります。

肥厚性幽門狭窄症を発症するのはなぜ?

先述のとおり、肥厚性幽門狭窄症は、胃の出口の筋肉が分厚くなることが原因で起こります。胃の出口にある幽門筋が厚くなると、飲んだミルクは十二指腸へスムーズに流れなくなります。するとミルクが胃の中に留まってしまい、胃がミルクでいっぱいになったときに一気に逆流して吐き出すようになるのです。

ただ、幽門筋がなぜ分厚くなってしまうのかについては、まだはっきり分かっていません。

肥厚性幽門狭窄症は治療できる?

肥厚性幽門狭窄症の診断は、触診と、幽門筋の厚みを確認する超音波検査が中心です。肥厚性幽門狭窄症と診断された場合、治療では外科手術、内視鏡を使った鏡視下手術、硫酸アトロピン製剤の注射のいずれかが行われます。なお現在は、硫酸アトロピン製剤の注射よりも手術による治療が主流です。

外科手術とは、幽門筋を切開して拡げるラムステット手術が行われるのが一般的です。術後から早くミルクが飲めるようになるというメリットがあります。ただ近年では、内視鏡手術によって幽門筋を広げる、鏡視下手術も行われるようになってきました。

おわりに: ミルクを毎回吐くなら早期に病院を受診しましょう

赤ちゃんがミルクを飲む度に大量に吐くのであれば、肥厚性幽門狭窄症の疑いがあります。肥厚性幽門狭窄症は進行すると脱水症状や黄疸、体重減少にもつながることのある病気です。早期に病院を受診し、適切な治療を開始しましょう。

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