肘部管(ちゅうぶかん)症候群とは ~ 小指のしびれに要注意! ~

2017/11/27

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

肘部管(ちゅうぶかん)症候群とは何かご存知ですか。耳慣れない方が多い病名ではないでしょうか。ですが実は日常によく遭遇する病気の1つなのです。本記事では、肘部管症候群の症状や原因、治療方法についてご紹介します。

肘部管(ちゅうぶかん)症候群とは

肘部管症候群とは、ひじの内側の骨のくぼみの肘部管と呼ばれる部分を通る尺骨神経に、慢性的な圧迫や伸張刺激が加わることで生じる神経の病気です。尺骨神経は小指の感覚を支配している神経のため、尺骨神経に問題が発生すると手の小指から薬指部分にしびれが出るようになります。

肘部管症候群は女性、男性の性別に関係なく発症する病気ですが、特に30歳以上の男性に多いのが特徴です。ひじの内側を叩いて、小指や薬指にしびれが生じるかどうかの検査(チネル徴候)が診断に使われます。その他にも、神経伝播速度検査や、尺骨神経が変形を超音波検査で確認し診断を行ないます。

肘部管症候群を発症する原因は

肘部管症候群は、睡眠時などにひじを曲げた状態が長時間続くことや、転倒やスポーツ時の肘への負荷なが原因で神経が圧迫されることで発症するとされています。その他、ガングリオンとよばれる手足の関節にできる良性の腫瘍によるものや、生まれつきひじが外側に曲がっているなどが原因で尺骨神経に物理的なストレスがかかることも発症の原因になっています。

肘部管症候群になると、どんな症状がみられる?

進行具合によって肘部管症候群の症状は異なります。手のひらの小指側と、小指と薬指の半分(小指に近い部分)がしびれたり、力が入りにくくなるのが特徴です。長期化すると親指と人差し指でものをつかむ力が低下し、手のひらの人差し指と親指の間の筋肉や、手のひらの外側の筋肉がやせてきます。さらに重症化すると薬指と小指が曲がって変形し、真っ直ぐに指を伸ばせなくなることもあります。

肘部管症候群はどうやって治療する?

治療方法は、まずはひじの部分を安静にすることが重要です。軽いものであれば、安静にするだけで症状が改善する場合があります。安静にしても良くならない場合は、ビタミン剤や抗炎症剤などの薬物療法が行われます。

しかし、それでも改善しない場合やしびれや痛み、手の痩せなど症状の悪化がみられる場合は、外科的手術でガングリオンの摘出や骨を削り、尺骨神経の圧迫原因を取り除く治療が行われます。手術は局所麻酔で行われ、経過が良好であれば、翌日に退院可能な手術です。ただし、重症化している場合は手術をしても完全に回復できない場合もあるため、医師と相談しながら慎重に意思決定をしてください。

おわりに:小指や薬指がしびれる場合は要注意

今回は肘部管症候群についてご紹介しました。症状は小指と薬指のしびれなので、比較的分かりやすい病気といえるでしょう。軽症の場合は回復も早いとされていますが、重症の場合は予後も悪いとされています。小指のしびれを感じるようであれば、自己判断で放置せず、早めに整形外科を受診をするようにしましょう。

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