肘部管(ちゅうぶかん)症候群の症状の特徴と治療方法とは?

2017/11/27 記事改定日: 2020/4/9
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

肘部管(ちゅうぶかん)症候群とは、肘に肘部管を通る神経に異常が起こり発症する病気ですが、どんな症状が出るか知っていますか。大半はすぐ治りますが、重症のものは治りにくいので注意が必要です。
この記事では肘部管症候群の症状と治療について解説していくので、早期発見・早期治療に役立ててください。

肘部管(ちゅうぶかん)症候群の原因って?

肘部管症候群とは、肘の小指側の骨のくぼみ「肘部管」を通る尺骨神経に、慢性的な圧迫や伸張刺激が加わることで生じる神経の病気です。
尺骨神経は小指の感覚を支配しているため、肘部管症候群で尺骨神経に問題が起こると小指から薬指部分にしびれが出るようになります。

肘部管症候群は

  • 寝ているときなどに、ひじを曲げた状態が長時間続く
  • 転倒
  • スポーツ時の肘への負荷

などがおもな原因です。また、ガングリオンや生まれつき肘の骨が曲がっていることが原因で尺骨神経に物理的なストレスがかかることが原因になることもあります。

肘部管症候群になると、どんな症状がみられる?

肘部管症候群を発症すると次のような症状が現れます。

  • 小指と薬指外側の痛みやしびれ
  • 小指・薬指やその周囲の手のひらの筋力低下
  • 小指と薬指の変形

症状の現れ方は人によって異なりますが、通常は手首を動かすと小指と薬指外側やそこに連なる手首、手の平にしびれや痛みが走るようになります。このような症状は小指や薬指の外側を支配する尺骨神経が刺激を受けることによるものであり、安静にすることで自然と改善していきます。

しかし、手首の腫瘍や外傷などが原因で尺骨神経に刺激が加わっているときや、症状があるのに安静にしていない状態が続いているときなどでは、尺骨神経へのダメージが進むことで筋力の低下や指の変形などの症状を引き起こすこともあります。

肘部管症候群はどうやって治療する?

肘部管症候群の治療では、まず安静にするように指示されるでしょう。軽いものであれば、安静にするだけで症状が改善することもあります。安静にしても良くならない場合は、ビタミン剤や抗炎症剤などの薬物療法が行われます。

安静と薬物治療による保存療法で改善しない場合やしびれや痛み、手の痩せなど症状の悪化がみられる場合は、外科的手術で尺骨神経の圧迫原因を取り除く治療が行われることもあります。
手術は、経過が良好であれば翌日にも退院できることがありますが、重症化している場合は手術をしても完全に回復できない場合もあるため、医師と相談しながら慎重に意思決定をしましょう。

おわりに:小指や薬指がよくしびれるという人は注意しよう

肘部管症候群のおもな症状は「小指と薬指のしびれ」です。比較的分かりやすい症状ではありますが、よくある症状でもあるので軽く考えがちです。軽症であれば安静だけで回復しますが、重症だと予後も悪く手術でも完全に回復しないこともあります。
治療のタイミングが早いほうが回復しやすいので、小指や薬指がよくしびれる人は早めに整形外科に相談しましょう。

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