月経(生理)中に貧血を起こしやすいのはなぜ? 改善する方法は?

2017/11/15

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

月経(生理)中の経血量が多いと貧血を引き起こして、顔色がよくなくなったり、めまいが生じたりすることがあります。これからも月経とうまく付き合っていくために、月経時の貧血の改善方法をご紹介します。

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貧血ってどんな状態?

鉄は、人の身体が必要とするミネラルの1種です。鉄は赤血球のヘモグロビンに多く存在し、足りなくなると貧血を引き起こし、酸素の供給が十分にできない状態になります。これが、貧血の中で最も一般的な鉄欠乏性貧血と呼ばれるものです。症状としては、頭痛や食欲不振、集中力の低下などが挙げられます。さらに筋肉中のミオグロビンが減るため、筋力の低下や疲労感を覚えるなどの症状も起こることがあります。

月経(生理)中に貧血になるのはなぜ?

月経が引き起こす出血が原因で、貧血を起こす女性は多いです。また、ヘモグロビンは鉄がなければ合成できないため、身体の中の鉄のバランスが崩れたとき、それがより進行すると鉄欠乏性貧血に陥ってしまいます。

月経時の出血による鉄の喪失によって、女性は1日でおよそ2mg以上の鉄が失われるといわれています。さらに子宮筋腫などの疾患によって出血量が増加してしまった場合、より貧血になりやすくなります。総月経血量が140mL以上の過多月経の人も同様です。疲れやすかったり、めまいや立ちくらみ、動悸、息切れ、頭痛などが気になったりする人は、貧血を疑いましょう。

月経中の貧血を改善するためにできることは?

ふだんの食生活で意識をしていないと、鉄分は不足する傾向にあります。まず食事は1日3食きっちりとることを習慣化し、偏食や必要以上のダイエットは控えましょう。インスタント食品を頻繁に食べるのも、よくありません。主食と主菜・副菜をうまく組み合わせて、バランスよく栄養素をとるようにしてください。特に、たんぱく質を含む食品を積極的に摂取すると、血液中の赤血球やヘモグロビンを作るための材料になります。また、魚介類、肉、卵、大豆製品などを、できるだけ毎食取り入れましょう。そしてビタミンCを摂ることで、食品中の鉄を身体で利用しやすくなります。ビタミンB12と葉酸も、正常な赤血球を作り出すために大切な栄養素です。

月経中の貧血がひどいときは病院へ

食生活を改善しても貧血症状が治らないときは、病院で診てもらうことをおすすめします。なお、病院では鉄剤を服用するなどの治療方法がありますが、中途半端に終わらせずしっかりと治しきることが大切です。また、回復してもすぐに再発することがあるため、医師の指導のもとにきっちりと治しましょう。

おわりに:日々の食事を見直して、月経中の貧血を予防しよう

女性にとって月経は、妊娠・出産やホルモンバランスのためにも、大切な身体の役割のひとつです。貧血をもとにしたさまざまな症状に気がついたら、食事内容を工夫するなど早めに対策をとってみましょう。

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