鉄欠乏性貧血による立ちくらみやめまい、どう対処すればよい?

2017/11/27 記事改定日: 2019/2/1
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

鉄欠乏性貧血は、あらゆる貧血のなかでも原因が分かれるタイプの貧血のため、改善や予防が可能です。とくに、生理や妊娠、授乳などがある女性は注意しなければなりません。
ここでは、鉄欠乏性貧血の症状や原因、改善法などについてご紹介します。

鉄欠乏性貧血の症状

鉄欠乏性貧血では全身への酸素運搬機能が低下する状態になるため、頭痛、めまいや立ちくらみ、動機や息切れ、軽い疲労感といった症状が見られます。

ただ、これらはヘモグロビン不足のために起こる症状ですが、重度になると最終的に組織鉄(皮膚や髪、爪などの組織に含まれる鉄)も減少してしまい、細胞の代謝がまわらなくなってしまいます。
すると現われるのが、爪がスプーンのように反り返るスプーン爪、舌炎や口角炎、嚥下障害などの症状です。

また、妊娠後期に鉄欠乏性貧血になると早産を起こしやすくなり、低体重児の出産も多くなるといわれています。

鉄欠乏性貧血になってしまうのはなぜ?

鉄欠乏性貧血の原因は「血液中の鉄が不足すること」です。
また、胃や十二指腸における炎症や潰瘍、がんや痔で起こる消化管の出血、女性の場合は月経や子宮筋腫などによる慢性的な出血が原因になることがあります。また、胃や小腸の切除によって吸収障害があったり、ダイエットや偏食で鉄の吸収量が少なかったりすることも原因のひとつです。

このほか、骨格筋の発達時期となる成長期や、女性の場合は胎児や乳児への鉄供給が行われる妊娠・授乳期に、鉄の需要が増大するため鉄不足になりやすくなります。

立ちくらみやめまいが起きたときの対処法

貧血によって脳が酸欠状態になり、めまいや立ちくらみなどが起こった場合は安静にし、急に動いたり立ち上がったりしないようにしましょう。

トイレなど、どうしても移動しなければいけないときは、できるだけゆっくりと動くように心がけ、倒れてけがをしないよう誰かに付き添ってもらうなどして十分注意してください。

寒さやだるさを感じる場合は、身体を温めて血行をよくすることで症状が改善しやすくなります。締め付けのある衣服を着ている場合は、ボタンを開けるなどしてゆるめましょう。

鉄欠乏性貧血の症状を改善するためにできることは?

鉄欠乏性貧血の改善には、食生活の改善が重要です。まず、ダイエットや生活リズムの乱れによる食事の摂取不足(一食抜くなど)は、栄養バランスが崩れて鉄不足を招く可能性があるため、1日3食規則的に摂るようにしましょう。

食事では、豚・牛レバーやあさりなど鉄吸収のいいヘム鉄を意識的に摂るようにしてください。また、ヘム鉄に比べると鉄の吸収率は下がりますが、ひじきや小松菜、大豆などの非ヘム鉄にも鉄分が多く含まれます。動物性食品と植物性食品どちらかだけに偏らないよう、ヘム鉄と非ヘム鉄を組み合わせながら工夫して摂りましょう。

なお、これらの食材を摂る際に、緑黄色野菜や果物などのビタミンCを含む食材を一緒に食べることで鉄の吸収率が上がります。反対に、鉄の吸収を阻害するコーヒーや緑茶などは食事中に摂るのを避け、食後1時間程度あけてから飲むようにしましょう。

非鉄欠乏性貧血に注意!

近年は単品ダイエットの流行や、不規則な食生活を送る人が多いため、たんぱく質不足による「非鉄欠乏性貧血」の患者が増えています。

貧血は、血液細胞の一種である赤血球に含まれるヘモグロビンと呼ばれるたんぱく質が減少することによって発症します。
ヘモグロビンの生成には鉄分が必要なため鉄分が不足すると貧血を引き起こしますが、同様にたんぱく質が過度に不足すると正常にヘモグロビンや血液細胞が生成されず、貧血を引き起こしてしまうことがあります。

貧血を予防するには、鉄分の摂取だけでなく、たんぱく質も含めたバランスよい食生活を心がけることが大切です。

おわりに:貧血になりやすい人は意識的に鉄分を含む食事を

月経のある女性や胃潰瘍といった持病のある人などは、発症リスクの高い鉄欠乏性貧血。もともと鉄分は吸収されにくい栄養素のため、貧血を起こしやすい自覚のある人は意識的に鉄分を蓄えられるような食事を摂ってください。
また、たんぱく質不足による非鉄欠乏性貧血も増えてきているので、鉄分だけ偏って摂るのではなく、バランスよく摂取するようにしましょう。

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