記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/3/16
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
風邪やインフルエンザと同じように、虫歯は“感染”します。
生まれたばかりの赤ちゃんの口のなかには、虫歯菌は存在しません。
では、虫歯になるのはなぜかというと、くしゃみや咳の飛沫が口の中に入ったり、保護者が使った箸で食べさせてあげたり、同じコップで飲み物を飲んだりすることで、虫歯菌であるミュースタンス菌が乳幼児の口内で繁殖するからです。
普段なんとも思っていない食べ回しや回し飲みが感染経路になるのです。一生の歯の健康は、食器や箸を別々にするところから。
これから、子どもの虫歯の予防策をご紹介します。
子どもの虫歯を避ける方法について、保護者が気をつけたいポイントを紹介します。乳歯はもともと、永久歯よりも虫歯になりやすい傾向があり、また、虫歯を放置してしまうと、歯並びにも悪影響を及ぼします。いい習慣を身につけて、口腔を健康に保ちましょう。
ほとんどの子どもはお菓子が大好き。頻繁に大量に食べたり、唾液が少なくなる就寝前に食べるのを避ければ、問題はありません。
最高のおやつは果物や生野菜です。バナナ、キュウイ、パイナップルといった果物やニンジンのスティックを試してみてください。ドライフルーツは砂糖が含まれていないものがおすすめです。
とはいえ、現実的には、子どもにとって、果物や生野菜子は魅力的なおやつではありません。スナック菓子を食べさせるのであれば、普通のスナック菓子より健康的なプレーンなポップコーン、シリアルなど食べさせてください。
炭酸飲料には砂糖が多く含まれているため、虫歯のリスクが高まります。無糖を売りにする炭酸飲料にも、歯の外表面を腐食する酸が含まれています。ミルクや乳酸菌飲料など、健康な飲み物をあたえるようにしてください。
1歳以上の子どもにいちばんいい飲み物は、普通の水またはミルクです。子どもがよく食べるようになり十分に成長してくれば、2歳からセミスキムミルクをあたえ、5歳を越えたら、スキムミルクをあたえます。ミルクは、12ヶ月未満の乳児の飲み物としては適していないので、注意してください。
果汁ジュースも果物を濃縮した糖分が含まれているため、コップ1杯(150ml程度)に制限してください。子どもが喉の渇きを訴えたら、甘い飲み物より水をあたえてください。
また、生後6ヶ月未満の赤ちゃんにフルーツ風味の「ベビージュース」をあたえることは避けてください。
歯を保護する唾液が少なくなるため、就寝時は歯が最も危険にさらされます。就寝時にあたえる水分でいちばんいい飲み物は水ですが、ミルクの場合は何も加えないでください。
生後6ヶ月が哺乳瓶をやめるタイミングになります。乳首や哺乳瓶を長期間吸うと、虫歯を引き起こす雑菌に長時間接触することになるため、最長でも1歳までには哺乳瓶の使用を完全にやめるようにします。
歯に害はありませんが、ずっとそのままにしておくとやめさせるのが難しい習慣になります。2番目の歯が生えてくるまでにやめさせるようにしてください。
虫歯は一度かかると再発しやすく、治療を繰り返し続けることになってしまいます。定期的に「虫歯」を予防するために歯科医に通いましょう。
歯科医を虫歯の治療ではなく、虫歯を防ぐために行く場所に変えれば、子どもも歯科医に行くのが楽しくなるはずです。