陰嚢水腫の症状とは?大人もなることがあるって本当?

2017/12/7 記事改定日: 2019/3/13
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

男の子特有の症状に、陰嚢がふくらんでしまう「陰嚢水腫」というものがあります。今回の記事ではこの陰嚢水腫について、症状や原因、大人と子供の違いなどについて解説していきます。

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陰嚢水腫の原因って?

陰嚢水腫とは、精巣の周囲に液体が溜まってしまい、陰嚢が膨らんでしまう状態のことです。男の赤ちゃんに比較的起こりやすく、症状があらわれやすいのは出産直後です。出産からしばらく経ったあとに起こる場合もあります。

陰嚢水腫は、リンパ液の過剰分泌によって精巣鞘膜(陰嚢の中にある睾丸、精巣を包み込んでいる膜のこと)が膨らむことで起こります。
新生児の体内には鞘状突起というものがあり、リンパ液がこの鞘状突起に入ることにより、症状を発症させてしまうのです。

陰嚢水腫の症状の特徴は?

陰嚢水腫を発症すると、陰嚢部分が大きく膨らみます。「ブヨブヨ」とした触り心地が特徴的で、大きな痛みはありませんが、一目見れば異常に気がつくはずです。本人は全く痛みを感じない病気ですので、子供が小さいうちは両親がしっかりと観察しておく必要があります。

陰嚢水腫は殆どのものが1年ほどで自然に消滅します。ある程度時間が経ったあとでも治らない場合や膨らみが大きくなりすぎたときには治療が必要となります。場合によっては手術を行うこともありますが、ケースバイケースです。

大人も陰嚢水腫になることがある?

大人でも、鼠径ヘルニアや精巣上体炎、精巣捻転、精巣腫瘍、外傷などによって陰嚢水腫を発症することがあります。子供の陰嚢水腫は痛みなどの症状を伴わず、自然に治ることが多いですが、大人の場合は出血や炎症、腫瘍などによって生じるため痛みや発熱などを伴うのが特徴です。

また、なかには早急に治療をしなければならないものも多く、大人で陰嚢水腫が疑われる症状が見られた場合は、なるべく早めに病院を受診する必要があります。

おわりに:子供の陰嚢水腫は成長を見守り、医師に相談しながら治療のタイミングを決めよう

陰嚢水腫は自然治癒する場合がほとんどですが、3歳くらいになっても症状が改善しない場合は、手術が必要になります。定期的に状態を観察しつつ、適宜治療について医師と相談しましょう。
また、大人も陰嚢水腫になることがあり、大人の場合は自然治癒が難しいです。陰部の異常に気づいたときは恥ずかしがらずに病院を受診し、早めに治療が始められるようにしましょう。

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