過活動膀胱(OAB)の原因にはどんなものがあるか?

2017/12/7 記事改定日: 2019/2/20
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

一日の間で何度も突然の尿意に襲われ、我慢できなくなってしまう「過活動膀胱(OAB)」。この過活動膀胱(OAB)の原因は、いったい何なのでしょうか?
治療法と併せて解説していきます。

過活動膀胱(OAB)の原因とは?

過活動膀胱(OAB)とは、突然尿意が起こり、それを我慢するのが難しい、もしくはトイレまで間に合わずに漏らしてしまうようになってしまうことです。

過活動膀胱はデリケートな問題のため、なかなか人に相談したり病院を受診したりできずに悪化させるケースが多いといわれています。また頻尿で夜間に何度も目が覚めトイレに行くことになるので、睡眠不足になりやすいです。

過活動膀胱は

  • 加齢やストレス
  • 神経のトラブル
  • その他の病気

などが主な原因で起こります。

なお、女性の場合は加齢により骨盤底筋が弱くなることで発症することが多く、妊娠や出産時の骨盤底筋へのダメージが原因になることもあります。
これは骨盤底筋には膀胱を支えたり尿道を締めたりする働きがあり、それが正常に働かなくなることで膀胱や尿道がうまく機能しなくなってしまうからです。

ただ、原因不明で起こってしまうことも少なくはありません。

過活動膀胱を引き起こす病気にはどんなものがある?

過活動膀胱は以下のような病気が原因で引き起こされることがあります。

排尿に関連する神経の障害

尿は腎臓で生成された後に膀胱で蓄えられ、膀胱が拡張するとその刺激が脊髄から脳へ送られることで尿意を感じるようになります。
このため、脳卒中や頭部外傷などによる脳のダメージ、糖尿病などの末梢神経障害、椎間板ヘルニアなどの脊髄障害を引き起こす病気が原因で過活動膀胱を発症することがあります。

骨盤底筋の異常

膀胱は骨盤底筋という筋肉によって支えられており、この筋肉が脆弱化することで過活動膀胱を引き起こすことがあります。特に女性に発症することが多く、妊娠・出産による過剰な負荷、加齢、肥満などが原因になります。

精神的な変調

過活動膀胱は、身体的な異常が無い場合でも発症することがあります。発症メカニズムは明確に解明されていませんが、精神的な緊張やストレスなどが関与していると考えられています。
また、突然の尿意を気にすること自体が多大なストレスになり、さらに症状が悪化するという悪循環を繰り返すことも少なくありません。

過活動膀胱は治せる?どうやって治療するの?

過活動膀胱は病院で治療ができます。原因によって治療法や効果は変わってきますが、病気が原因の場合は病気の治療を優先します。比較的若い年齢では治る確率が高いです。加齢が原因だと時間はかかりますが、薬物療法と膀胱訓練を併用すれば改善することは可能です。

薬物療法では膀胱の筋肉収縮に働きかける抗コリン薬やβ刺激薬などを使います。ただし薬物療法だけでは完全な治療法とは言えないため、膀胱訓練を併用するのが一般的です。

膀胱訓練とは

膀胱訓練とは、尿意や排尿をコントロールする力を身に付けるための訓練です。
やり方は以下の通りです。

  1. 尿意を感じても、すぐにトイレに行かずにまず我慢する
  2. 訓練を開始したばかりの頃は5分間我慢し、徐々に10分、15分と我慢する時間を増やしていく
  3. 我慢した時間を記録して、2時間ほど我慢できるように目指す

ただし、突然の尿意は膀胱炎など他の病気によるものもあります。このような場合には尿意を我満するとかえって危険なこともありますので、訓練を行う場合は病院を受診して医師に相談するようにしましょう。

おわりに:過活動膀胱の治療は原因ごとで違う。医師の指示に従い気長に治療を続けよう

過活動膀胱の治療法は、原因によって変わります。ただ、いずれにしても治療は医師の指示に従うことが大切です。完治するまでに時間がかかることも少なくないですが、治療可能な病気なので、早めに病院を受診することをおすすめします。

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