尿路感染症の原因とは!?予防するにはどうすればいい?

2017/12/4 記事改定日: 2018/6/26
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

排尿痛や血尿などを引き起こすことのある、「尿路感染症」。この尿路感染症が起こる原因はいったい何なのでしょうか。発症を予防する方法はあるのでしょうか。
以下の記事で詳しく解説していきます。

尿路感染症の原因は細菌感染!?

尿路感染症とは、腎臓から体外へ排出されるまでの尿路で起こる感染症のことを意味します。尿路とは尿の通り道で、感染症が起こる場所によって、腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎など、病名や症状などが異なります。

尿路感染症の原因の多くは、腸内にいる大腸菌やクラミジアなどの細菌感染です。これらの細菌が尿の出口から逆行して発症する場合が多く、男性は陰茎の先端部、女性は尿道の開口部から微生物が侵入します。そして入り込んだ微生物は尿路を通り、膀胱や腎臓に到達し感染します。

尿路感染症は2つのタイプがあり、合併症や感染を引き起こしにくいものを「単純性尿路感染」と言い、逆に合併症や感染を引き起こしやすいものを「複雑性尿路感染」と言います。複雑性尿路感染は慢性になりやすいのも特徴的です。

尿路感染症にかかる年代は子供から高齢者までと幅広く、誰でもかかる可能性があるため、注意が必要です。

尿路感染症に感染しやすくなる原因は?

尿路感染症は、感染症を引き起こす細菌が尿路に侵入することで引き起こされます。感染の原因となる菌は主に腸や膣から尿路へ侵入した大腸菌などの細菌ですが、ウイルスや寄生虫などが原因となる場合もあります。こういった細菌性尿路感染症を起こしやすくなる原因としては、結石などによって起こる尿路の閉鎖、性行為、導入カテーテルなどの挿入、血流感染症などが挙げられます。

そして、尿路感染症が起こりやすくなる要因は、尿路感染症の種類によって異なります。

膀胱炎

まず尿路感染症のひとつである、膀胱炎にかかりやすいのは、若くて性に活発な女性です。男性の尿道は女性の尿道よりも長いため、細菌が侵入しても膀胱まで届きにくくなっていますが、女性の尿道は男性に比べて短いため、細菌が膀胱に達しやすい傾向にあります。菌は排尿することで流されますが、排尿の我慢や免疫力の低下、ストレスや過労などが原因となり、膀胱炎を引き起こすことがあります。

尿道炎

次に尿道炎は、男性がなりやすい尿路感染症といわれています。感染リスクを挙げる主なものは、性行為と言われています。

腎盂腎炎

尿路感染症で最も深刻な、腎盂腎炎という病気があります。腎盂腎炎は20代~40代の女性がなりやすいと言われています。特に妊娠中は、尿管が子宮に圧迫され尿の流れが妨げられるため、腎盂腎炎にかかるリスクが高くなるといわれています。

尿路感染症は性行為で感染する?

尿路感染症は性行為によって感染することもあります。特に男性の場合では、女性の性器に付着した原因菌がダイレクトに尿道に入り込むこともあり、発症リスクが高くなります。
また、クラミジアや淋菌などの性感染症によって尿道炎を生じることもあり、性感染症自体が尿路感染症の原因となることも少なくありません。
このため、尿路感染症や性感染症を発症している間は他者に感染させないよう、性行為前の入浴やコンドームの使用、オーラルセックスを控えるなどの十分な対策を講じるようにしましょう。

治療中の注意点と再発予防

尿路感染症の治療では、主に抗生物質を使用します。しかし、尿路に異常が見られる場合は手術が必要になる場合もあります。尿路感染症を予防するためには、ストレスを溜めない、睡眠をしっかりととる、水分補給を頻繁に行う、排尿を我慢しないことなどが大切です。

おわりに:感染を防ぐためには原因を避けることが大切

子供からお年寄りまで、そして男女問わず発症することのある尿路感染症。排尿を我慢する習慣があったり、ストレスを溜めすぎていたり、不衛生な状態で性行為をしたりすると、さまざまな尿路感染症を引き起こしてしまう可能性があります。種類ごとの発症原因を避け、予防に努めましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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