慢性膀胱炎の原因とは!?急性膀胱炎との違いや治療法について解説!

2017/12/11

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

膀胱炎が慢性化してしまう「慢性膀胱炎」ですが、この慢性膀胱炎はなにが原因で引き起こされるのでしょうか?また、どう治療していくのでしょうか?急性膀胱炎との違いと併せて解説していきます。

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慢性膀胱炎とは

慢性膀胱炎とは、継続的に膀胱の粘膜の炎症が起きている疾患です。膀胱炎には急性膀胱炎もありますが、急性膀胱炎は細菌感染を原因として発症するのに対し、慢性膀胱炎はその急性膀胱炎を再発することで慢性化したときや、別の病気がきっかけとなって発症するものです。

慢性膀胱炎の原因

慢性膀胱炎の発症原因は、細菌性のものと非細菌性のものに分けられます。

まず、細菌性の慢性膀胱炎は、急性膀胱炎を長期にわたって放置したことが原因で発症することがあります。ほかには、前立腺肥大症や尿道狭窄症、糖尿病などの病気で尿の流れが悪くなり、細菌が膀胱内に侵入した結果、炎症が持続したことで慢性膀胱炎を発症するケースもあります。

一方の非細菌性の慢性膀胱炎は、原因がはっきりと特定できないことが多いのですが、更年期の女性が発症した場合は、女性ホルモンの分泌量の減少により、膀胱粘膜が炎症を起こしたことが原因ではないかとも考えられています。

どんな症状が現れるか?

慢性膀胱炎を発症すると、下腹部痛や排尿痛、頻尿、血尿などの症状が現れます。これらは急性膀胱炎でもみられる症状ですが、急性膀胱炎に比べて軽度な場合が多く、発症を繰り返す傾向にあります。人によっては、自覚症状がほとんどない場合もあります。

慢性膀胱炎の治療

慢性膀胱炎の治療法ですが、まず細菌性の場合は抗菌薬を服用することから始めます。排尿痛がひどい場合は、鎮痛薬が処方されることもあります。抗菌薬は2週間分程度処方されますが、途中で症状が改善されたからといって服用をやめてしまうと、再発する可能性が高くなってしまいます。完全に菌を死滅させるまで薬を飲み切ることが重要です。

一方、非細菌性の慢性膀胱炎の場合は、原因疾患の治療を行うことが必要になります。

なお、慢性膀胱炎の治療の上では、薬の服用のほかにも排尿を我慢しない、こまめに水分補給をして排尿を促す、外陰部を清潔にするといったことを心がけることも重要です。

おわりに:慢性膀胱炎かも?と思ったら病院へ

慢性膀胱炎は急性膀胱炎に比べると症状が軽いため、病院の受診が遅れてしまうケースも少なくありませんが、糖尿病などの原因疾患によって膀胱炎が引き起こされている可能性もあります。ご紹介した症状のうち該当するものがあれば、念のため病院を受診することをおすすめします。

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