腹膜偽粘液腫ってどんな病気?症状にはどんな特徴があるの?

2017/12/1 記事改定日: 2020/4/22
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

腹膜偽粘液腫(ふくまくぎねんえきしゅ)はお腹に水が溜まっていく病気です。非常に治療が難しいといわれていますが、どのような症状に注意すればいいのでしょうか。
この記事では、腹膜偽粘液腫の症状と治療について解説していきます。

腹膜偽粘液腫(ふくまくぎねんえきしゅ)とは?

腹膜偽粘液腫(ふくまくぎねんえきしゅ)とは、お腹の中に粘液状の腫瘍が溜まっていく病気です。
お腹にある臓器に粘液を出す腫瘍細胞が発生し、細胞の増殖にともない粘液がどんどん溜まっていくことでお腹が膨れていきます。なぜこのような細胞が発生するのか原因は分かっていません。

腹膜偽粘液腫は50歳前後を過ぎた女性の発症例が多く、発症数も少ないめずらしい病気です。治療できる医療機関が限られるため、治療を始められるタイミングが遅くなることも少なくないといわれています。気になる症状があるときは早めに受診しましょう。

腹膜偽粘液腫の症状とは?

腹膜偽粘膜腫を発症すると、お腹の水(腹水)が溜まることによって腹囲が大きくなっていきます。しかし、痛みなどの症状を伴うことはほとんどないため体型の変化に気付いたとしても病気を疑うことは少なく、健康診断などで偶然発見されることが多いとされています。

進行にともない腹水が増えていき、ある程度の量まで溜まると、お腹の中の臓器を圧迫してダメージを与えるようになり、腎機能の悪化、腸や膀胱の穿孔(穴が開くこと)、腸閉塞などの合併症を引き起こすことがあります。
また、まれに胸の中に腫瘍が転移し、呼吸困難などの症状が現れることもあります。

腹膜偽粘液腫は発見が遅れがちな病気であり、命に関わる合併症を引き起こすことがあるため、思い当たる原因のない体型の変化があるときはできるだけ早めに病院を受診するようにしましょう。

腹膜偽粘液腫はどうやって治療するの?

腹膜偽粘液腫は、腹腔内温熱科学療法(HIPEC:Hyperthermic IntraPeritoneal chemotherapy)で根治が目指せると考えられています。

腹腔内温熱科学療法では、開腹して目に見える腫瘍をまず切除し、42度に温められた濃度の濃い抗がん剤をお腹に入れ、温めた抗がん剤で目に見えない腫瘍まで徹底的に退治していきます。

ただし、腹腔内温熱科学療法は2~3日は麻酔状態で管理する必要があるため、体の負担が大きいというデメリットがあり、治療には経験を積んだ医師と医療スタッフ、専用の機器が揃った専門施設が必要です。

おわりに:腹膜偽粘液腫を治療できる医療機関は限られる。早めの相談が大切

腹膜偽粘液腫を発症すると、見た目の問題や腹痛を引き起こすだけでなく、腸閉塞などの重大な疾患を招いたりする恐れがあります。腹膜偽粘液腫はまだ認知度の低く治療できる医療機関が限られるため、治療を開始するまでに時間がかかることもあります。疑わしい症状があったら病院を受診し、詳しい検査が必要かどうか相談しましょう。

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