虚血性大腸炎ってどんな病気? どうすれば予防できる?

2017/11/30

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

いま、若い女性に増えている大腸の疾患に「虚血性大腸炎」があります。今回の記事ではこの虚血性大腸炎について、具体的な症状や原因、また効果的な予防法をお伝えしていきます。

虚血性大腸炎とは

虚血性大腸炎は、大腸への血液循環が悪くなって体に必要な酸素や栄養素が供給されなくなり、大腸の粘膜が虚血となって炎症や潰瘍が生じる病気です。動脈硬化と便秘が主な原因とされており、50代以上の高齢者に多い疾患ですが、20代などストレスやダイエットで便秘がひどい女性にもみられる疾患です。

主な症状は腹痛や下血です。症状が激しい場合は、腸に穴があく壊死を引き起こす場合があります。再発は稀ですが、動脈硬化が酷い場合には再発する可能性もあります。

虚血性大腸炎の原因

虚血性大腸炎は、動脈硬化や便秘、あるいはその両方が原因となって起こると考えられています。

まず動脈硬化になると、大腸周辺の血管に血栓や塞栓ができて大腸の血流が阻害され、十分な酸素や栄養素が送られなくなり、大腸組織にびらんや潰瘍ができてしまいます。

一方、便秘が原因の場合は、便秘によって大腸内の圧力が高まることで大腸内の血流が減少し、大腸組織が壊死することによって症状が引き起こされます。

また、もともと動脈硬化があった部位に、便秘によって腸管内圧が上昇したことも、発症原因のひとつと考えられています。

虚血性大腸炎の症状

虚血性大腸炎の症状には激しい腹痛、下血、下痢があります。特に典型的な症状は左下腹部の腹痛と鮮血の下血で、虚血性大腸炎の診断基準にもされています。悪心、嘔吐、発熱が認められることもあり、直前に便秘していることが多いです。

左下腹部の次に痛みを感じることが多いのはS状結腸と直腸の境目で、これには血流の乏しさが影響しています。高齢者が急に左下腹部に痛みがあり、トレイにいったら血便がでたというような場合には、虚血性大腸炎の可能性が考えられます。

虚血性大腸炎の殆どは、数日で治まる一過性のものですが、1週間以上続く場合もあり、この場合は腸が狭くなって狭窄を引き起こしている可能性があります。

どうすれば虚血性大腸炎を予防できるのか

原因となる動脈硬化や便秘を改善することが、虚血性大腸炎の予防につながります。食生活の見直しや適度な運動、またストレスを溜めないようにしましょう。食事では糖分、脂肪、塩分の摂取を控えて食物繊維の多い食材を摂り、十分に水分を摂るようにします。積極的に摂りたいのは水溶性食物繊維で、これは海草類や里芋、長芋などに多く含まれています。

また、過度なストレスは自律神経系を乱れさせ、便秘や下痢につながることがあります。ストレス発散のために趣味を見つけたり、アロマでリラックスしたり、適度な運動や休息を心がけましょう。

おわりに:便秘や動脈硬化が主な原因の虚血性大腸炎。生活習慣の改善を

日頃から便秘がちな方に激しい腹痛や真っ赤な下血が見られた場合、虚血性大腸炎を疑ったほうがいいかもしれません。まずは根本的な原因である便秘や動脈硬化の改善のために、生活習慣を整えることを心がけましょう。

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