胆道ジスキネジーってどんな病気?原因や治療法も解説!

2017/12/1 記事改定日: 2019/8/23
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

右上腹部の痛みなど、胆石症に似た症状が出る「胆道ジスキネジー」。この胆道ジスキネジーは、なにが原因で発症する病気なのでしょうか?また、どのように治療が行われるのでしょうか?

胆道ジスキネジーとは?

胆道ジスキネジーとは、食後、胆のうと胆管に腫瘍や結石、炎症などがみられないにもかかわらず、胆石症に似た症状が出てくる病気です。胆道(肝臓で作られた胆汁が腸に運ばれる部分)に異常が起こることから発症します。右上腹部に痛みが出るのが特徴で、そのほか、右肋骨周辺の痛みや便秘、下痢といった消化器系の不調も起こります。

胆道ジスキネジーの原因は?

そもそも、食事で摂取したものを消化をするためには、十二指腸へ胆汁を流す必要があります。通常、胆汁は胆のうから繋がる胆のう管と、すい臓から繋がるすい管の開口部であるファーター乳頭が開くことで十二指腸へと送り出されますが、何らかの原因でファーター乳頭に異常が起こってしまうと、胆汁が排出されなくなるか、急速に排出されてしまい、胆道ジスキネジーの症状が出るようになります。

ファーター乳頭に異常が起こる直接の原因は明らかになっていません。ただ、ファーター乳頭を開いて胆汁を排出させる役割を担っている自律神経や、その調和にかかわるホルモンに異常が起こるために発症するのではないかと考えられています。

ホルモンバランスは過度のストレスや加齢などの影響で乱れやすいことから、ファーター乳頭の異常は女性に多く発症する傾向があります。また、ファーター乳頭の異常はほかの病気の合併症として発症することもあり、その場合は糖尿病や妊娠、潰瘍、肝炎などが多いとされています。

効果的な治療方法は?

基本的に、症状の出方の違いによって治療法が変わります。胆汁が排出されにくくなる「緊張亢進型」と呼ばれるタイプの場合は、胆汁の排出を促すために脂肪食を控える食事療法が選択されます。この食事療法は、胆汁が十二指腸に一気に流れ込んでしまう「運動亢進型」にも有効な治療法とされます。

一方、「緊張低下型」など胆のうが弛緩してほとんど収縮しなくなるタイプは、逆に脂肪食を多く摂り、胆のうの収縮を薬物で調節する薬物療法も行われます。

心因的な要因で自律神経が乱れている場合は、精神安定剤などが併用されることもあります。また、自律神経を整えるための生活習慣の改善も重要視されており、毎日の規則正しい生活や適度な運動、十分な睡眠をとることはもちろん、リラックス効果を高めるための入浴方法の工夫などストレス解消を心掛けることが推奨されています。

ただし、胆道ジスキネジーは胆のうや胆道そのものには異常があるわけではないため、その分治療も難しいと言われています。

おわりに:胆道ジスキネジーの根本的な原因は不明。専門医のもと、症状に合った治療を受けよう

  • 胆道ジスキネジーは、胆汁の排出異常が原因で発症する
  • 原因についてははっきりわかっていませんが、現在のところは、自律神経やホルモンバランスの乱れが要因ではないかと考えられている

胆道ジスキネジーのタイプによって治療法は異なりますので、専門医のもとで適切な治療を続けていきましょう。

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