胆道ジスキネジーの症状と治療方法とは?

2017/12/1 記事改定日: 2019/9/30
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

胆道ジスキネジーとは、胆のうや胆道に腫瘍や結石があるわけでもないのに胆石症のような症状が出てしまう病気のことです。
この記事では、胆道ジスキネジーの種類や症状、治療方法について解説していきます。

胆道ジスキネジーって、どんな病気?

胆道ジスキネジーは、胆のうから出る胆汁の排出に異常が起こる病気です。

胆のうや胆道に腫瘍や結石、炎症等が見られないにもかかわらず、食後に

  • 右上腹部の鈍痛
  • 腹部膨満感
  • 吐き気
  • 下痢

などの「胆石症に似た症状」が出てきます。

原因

胆道ジスキネジーは、胆のう管とすい管の開口部である「ファーター乳頭」の開閉に不具合が生じることで引き起こされますが、その異常がなぜ起こるのかなど発症原因は未だはっきりと解明されていません。

ただ、ファーター乳頭の開閉は自律神経が担っていることから、ストレスや疲労で自律神経がバランスを崩すことによって発症する可能性が示唆されています。

また、自律神経に大きくかかわるホルモンバランスの乱れも要因のひとつとされ、実際、男性よりもホルモンバランスが乱れやすい女性のほうが発症率が高いです。

なお、糖尿病や妊娠、潰瘍、肝炎などほかの病気によって胆道ジスキネジーの症状が誘発されることもあります。

胆道ジスキネジーの種類は?

胆道ジスキネジーは、胆のう収縮のタイプの違いから「緊張亢進型」「運動亢進型」「緊張低下型」の3つに分類されています。

緊張亢進型

緊張亢進型は、胆のうを収縮させるホルモン刺激の効果が薄れることで胆のうが張りつめたようにふくれ、充分な量の胆汁を排出しなくなります。
この影響で胆汁の消化機能が弱まり、食後の腹痛が起こります。

運動亢進型

運動亢進型は、食事などの刺激によって胆のうが一気に収縮し、胆汁が急速に十二指腸に流れ込むことで消化に問題が出るようになります。

緊張低下型

緊張低下型は、胆のうが弛緩することで、胆のう収縮ホルモンの刺激を受けてもほとんど収縮を起こさなくなります。そうして胆汁の排出が遅れることで、腹部に持続的な鈍痛が生じます。

胆道ジスキネジーの治療では、どんなことをするの?

胆道ジスキネジーは胆石症などのように根本的な治療がなく、患者それぞれに合わせた治療法を組み合わせながら治療が進められていきます。

治療を進めるにあたって、まず大切なのは暴飲暴食を避けることです。

  • 規則正しい食事
  • 消化管に負担の少ない食事

を心がけ、胆嚢の収縮を抑える生活を送りましょう。
ただ、緊張低下型では胆嚢の収縮を促すために脂肪の多い食事を摂るよう指示されることもあるでしょう。

また、緊張亢進型と運動亢進型では胆嚢収縮を抑える作用がある抗コリン薬、緊張低下型のタイプでは平滑筋収縮薬などによる薬物療法が有効な場合があります。

多くはこれらの治療で症状は改善していきますが、回復が見られず症状が続く場合は胆嚢摘出術が検討されることもあります。また、精神的なストレスが原因と考えられる場合は精神療法などが併用されることもあります。

おわりに:症状緩和のためには、ストレス発散や生活習慣の改善も重要

胆道ジスキネジーの症状を改善させるには、病院での専門治療のほかに、生活習慣の改善やストレス発散などのセルフケアに励むことが重要と考えられています。まずはできることから実践していきましょう。

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