胆道ジスキネジーには3つのタイプがある? それぞれの特徴を解説

2017/12/1

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

胆のうや胆道に腫瘍や結石があるわけでもないのに、胆石症のような症状が出てしまう「胆道ジスキネジー」。この胆道ジスキネジーは、実は3つのタイプに分類されます。それぞれのタイプの特徴を中心に、以降でご紹介していきます。

胆道ジスキネジーって、どんな病気?

 

胆道ジスキネジーは、胆のうから出る胆汁の排出に異常が起こる病気です。胆のうや胆道に腫瘍や結石、炎症等が見られないにもかかわらず、食後に起こる右上腹部の鈍痛など胆石症に似た症状が出てきます。特徴的な右上腹部の痛みのほか、腹部膨満感や吐き気、下痢が起こる場合もあります。

胆道ジスキネジーは、胆のう管とすい管の開口部である「ファーター乳頭」の開閉に不具合が生じることで引き起こされますが、その異常がなぜ起こるのかなど発症原因は未だはっきりと解明されていません。ただ、ファーター乳頭の開閉は自律神経が担っていることから、ストレスや疲労で自律神経がバランスを崩すことによって発症するとも言われています。また、自律神経に大きくかかわるホルモンバランスの乱れも要因のひとつとされ、実際、男性よりもホルモンバランスが乱れやすい女性のほうが発症率が高いです。なお、糖尿病や妊娠、潰瘍、肝炎などほかの病気によって胆道ジスキネジーの症状が誘発されることもあります。

胆道ジスキネジーの3つのタイプとは?

 

胆道ジスキネジーは、胆のう収縮のタイプの違いから「緊張亢進型」「運動亢進型」「緊張低下型」の3つに分類されています。

まず緊張亢進型は、胆のうを収縮させるホルモン刺激の効果が薄れることで、胆のうが張りつめたようにふくれ、充分な量の胆汁を排出しなくなるタイプです。これによって胆汁の消化機能が弱まり、食後の腹痛が起こります。

次に運動亢進型は、食事などの刺激によって胆のうが一気に収縮し、胆汁が急速に十二指腸に流れ込むことで消化に問題が出るようになります。

緊張低下型は、胆のうが弛緩することで、胆のう収縮ホルモンの刺激を受けてもほとんど収縮を起こさなくなります。そうして胆汁の排出が遅れることで、腹部に持続的な鈍痛が生じます。

胆道ジスキネジーからの回復を早めるには、どんなことをすればいいの?

 

未だにはっきりとした発症原因が解明されていない胆道ジスキネジーは、食事療法や薬物療法による治療も行われますが、症状を軽くし回復を早めるためには、発症要因の一つとされている自律神経の不調を解消することが重要とされています。

ファーター乳頭開閉の異常によって起こる胆汁排出の不具合は、その働きを制御する自律神経の乱れやホルモンの異常が大きく影響していることが指摘されています。そのため自律神経失調症の改善に良いとされる対策をとることが、胆道ジスキネジーの改善にも有効と考えられています。

規則正しい生活習慣を身につけ、栄養バランスのとれた食事を摂ることを心掛け、適度な運動を欠かさず、睡眠をたっぷりとりましょう。ストレスを溜めないようリラックスする習慣をつけることも重要です。運動やアロマテラピーなど自分に合った快適なリラックス法を見つけていきましょう。

おわりに:症状緩和のためには、ストレス発散や生活習慣の改善も重要

胆道ジスキネジーの症状を改善させるには、病院での専門治療のほかに、生活習慣の改善やストレス発散などのセルフケアに励むことが重要と考えられています。まずはできることから実践していきましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

腹痛(96) ホルモンバランス(24) 自律神経(33) 胆道ジスキネジー(3) 緊張亢進型(2) 運動亢進型(2) 緊張低下型(2) ファーター乳頭(3)