記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/8 記事改定日: 2020/1/29
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
骨嚢腫(こつのうしゅ)とは、骨の中心部にある骨髄が破壊されてしまい空洞化し、そこに水分が溜まってしまう病気です。この病気にはどのような症状あり、どのような治療法があるのでしょうか。
骨嚢腫(こつのうしゅ)とは、骨髄が破壊されて空洞ができてしまい、そこに血清に似た液体が溜まっていく病気のことです。
10代の若い世代の発症例が多く、上腕骨や大腿部といった骨に見られることの多いといわれています。
骨嚢腫を発症すると、液体の量が増えて嚢腫が大きくなることで骨皮質が薄くなっていき骨が弱くなり、ちょっとした行動でも骨折しやすくなります。ただし、痛みが出るのは嚢腫が大きくなってきてからであり、初期段階ではほとんど自覚症状が見られません。
そのため、骨折で受診したときの病歴確認で何度も骨折を繰り返してることがわかり、骨嚢腫を疑われて発見されるケースもあるようです。また、別の病気のX線(レントゲン)検査のときに偶然発見されることもあります。
骨嚢腫は必ずしも治療が必要になるわけではありません。病変が小さく特に症状がないものは自然に治ることもあるため定期的な検査を行いながら経過観察していくのが一般的です。
一方、病変が大きく些細な刺激で骨折を起こしやすいことや骨が変形することが考えられる場合は皮膚から骨の嚢腫に針を刺してステロイドを注入する治療、嚢腫内の組織を取り除いて他部位から取りだした自分の骨を移植したり人工骨を移植したりする手術が行われます。
なお、骨嚢腫はこれらの積極的な治療を行っても再発を繰り返すことがありますので、治療後も経過観察は欠かせません。
同じ部位をよく骨折する場合や、骨折までいかなくても、同じ部位が何度も腫れたり痛みが出るという人は何かしらの要因が隠れている可能性があります。その中のひとつが骨嚢腫です。病院で検査してもらうことはもちろんですが「何度も骨折を繰り返している」ということを、問診時に必ず医師に伝えるようにしましょう。
また、一度の治療でうまくいかず再発することもあるため、治療を繰り返すことも少なくありませんが、治療を繰り返すことで改善していくこともあります。医師の指示に従い、気長に治療を続けるようにしましょう。