骨髄が空洞になる病気、骨嚢腫(こつのうしゅ)とは

2017/12/8

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

骨嚢腫(こつのうしゅ)とは、骨の中心部にある骨髄が破壊されてしまい空洞化し、そこに水分が溜まってしまう病気です。この病気にはどのような症状あり、どのような治療法があるのでしょうか。

骨嚢腫(こつのうしゅ)とは

骨嚢腫(こつのうしゅ)とは、骨髄が破壊されて空洞ができてしまい、そこに血清に似た液体が溜まっていく病気のことです。
10代の若い世代の発症例が多く、上腕骨や大腿部といった骨に見られることの多いといわれています。

原因ははっきりしていません。「嚢腫内の圧力異常が起こっているからではないか」という説はあるものの、立証されたわけではなく今後の研究が期待されています。

骨嚢腫の症状

骨嚢腫を発症すると、液体の量が増えて嚢腫が大きくなることで骨皮質が薄くなっていき骨が弱くなり、ちょっとした行動でも骨折しやすくなります。ただし、痛みが出るのは嚢腫が大きくなってきてからであり、初期段階ではほとんど自覚症状が見られません。そのため、骨折で受診したときの病歴確認で何度も骨折を繰り返してることがわかり、骨嚢腫を疑われて発見されるケースもあるようです。また、別の病気のX線(レントゲン)検査のときに偶然発見されることもあります。

骨嚢腫の治療法

初期段階の治療では、皮膚の上から骨嚢腫に穴を開けステロイド剤を注入する方法をとることが一般的です。ただし骨折をしている場合は、骨折後に骨嚢腫が治る症例もあることから、骨折の治療が優先されます。
比較的負担が小さい治療法であり、一回の治療で望んだ結果が出なかった場合でも何度か繰り返して経過を観察することになります。この方法で骨がうまく形成されなかった場合は手術が検討されます。

手術では、嚢腫壁を削って人工の骨や腸骨(骨盤の骨の一種)などを使って移植が行われます。ただし、再発の可能性があったり、嚢腫が取りきれなていない可能性もあるため、手術後も経過観察が必要です。

 

おわりに:骨折を何度も繰り返しているという人は、病院を受診したときに必ず医師に伝えよう

同じ部位をよく骨折する場合や、骨折までいかなくても、同じ部位が何度も腫れたり痛みが出るという人は何かしらの要因が隠れている可能性があります。その中のひとつが骨嚢腫です。病院で検査してもらうことはもちろんですが「何度も骨折を繰り返している」ということを、問診時に必ず医師に伝えるようにしましょう。

また、一度の治療でうまくいかなくても、数回繰り返すことで改善していくことが多いといわれています。医師の指示に従い、気長に治療を続けるようにしましょう。

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