腸閉塞(イレウス)を予防するために、食事で気をつけることは?

2017/12/7

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

腸液やガス、糞便などが詰まってしまい、嘔吐や腹痛だけでなく意識障害を引き起こすこともある「腸閉塞(イレウス)」。この腸閉塞(イレウス)を予防するには、食事でどんなことに気をつけたらいいのでしょうか?

腸閉塞(イレウス)を予防するために、食事で気をつけることは?

腸閉塞(イレウス)は、腸が詰まることで消化液やガス・糞便などが溜まって膨らんでしまう病気です。腸が詰まる原因としては、腸の蠕動運動が止まってしまったり、腹部の手術をした後に腸と他の臓器が癒着してしまったりしたことなどが挙げられます。

腸閉塞になってしまうと、お腹にいろいろなものが溜め込まれ、膨らんで苦しくなります。さらに排便ができないため、食事をすればするほど詰まりはひどくなり、ついには嘔吐を引き起こすこととなります。重症化すれば栄養の吸収だけでなく水分の吸収も出来なくなり、脱水症状や栄養失調に陥って意識障害が起きることもあります。

また、腸の蠕動運動は免疫機能にも深く関わっており、腸が動かなくなった後に腸内細菌が異常な増殖をして感染症へと発展することもあります。適切な治療をしなければ、やがては命を落とす危険性も出てきます。

腸閉塞になってしまうのはなぜ?

腸閉塞になってしまう原因は2種類あります。

ひとつは機械性腸閉塞と呼ばれるもので、腸閉塞のおよそ9割がこのタイプです。腸がねじれたり腫瘍が大きくなってしまったりするタイプの腸閉塞で、食べ物の通り道が塞がります。機械性腸閉塞には単純性のものと複雑性のものがあり、腸管の血行障害がない場合は単純性、血行障害がある場合は複雑性にそれぞれ分類されます。なお、複雑性の場合には血が流れ込まずに腸管が壊死してしまう恐れが有るので、すぐにでも治療を始めなければいけません。

そしてもうひとつは機能性腸閉塞といって、腸の蠕動運動がなくなることで閉塞が起きるものです。手術や薬の影響により腸が麻痺してしまう麻痺性のものと、鉛中毒などにより痙攣が起きる痙攣性のものがあります。

また、便秘も腸閉塞を引き起こす原因となりえます。ずっと排便できないと糞便が固くなり、腸に詰まってしまうのです。固い糞便はやがて腸を破ったりする危険性もあります。

どうすれば腸閉塞を予防できる?

腸閉塞は重症化すると危険な病気ですが、日々の習慣で予防することもできます。便秘によって閉塞が起きることもあるので、規則的に排便できるような体を作り上げることが大切です。そのためには、適度に消化できるように食べ過ぎを控えたり、早食いをしないように心がけたりする必要があります。

また、便が固くなりすぎないように水分はこまめに摂取して、さつまいもやごぼうなど排便を助ける食物繊維を積極的に食べるようにしましょう。ただ、食物繊維は腸の働きを良くする一方で、摂りすぎると消化できずに蓄積されてしまう恐れがあります。

そして、腸の蠕動運動を助ける善玉菌を増やすために、ヨーグルトや納豆などもたくさん食べるといいでしょう。その他の食材としては、豆腐や白身魚・りんごといった食べ物も消化しやすいのでおすすめです。

控えたほうがよい食べ物は?

 

脂っこい料理は、胃腸で消化が追いつかずに溜まってしまうことがあるので控えましょう。また、飲酒の習慣を持っている人は、アルコールを摂りすぎないようにしましょう。というのもアルコールは胃腸の粘膜を荒らすので、腸の蠕動運動が鈍ってしまうからです。それにアルコールを摂ると水分の排出が促されるので便が固くなる恐れもあります。

おわりに:腸の消化にいい食生活を心がけよう

腸閉塞の予防のためには、消化にいい食べ物を食べたり、水分をこまめに摂取したりといった日頃の食生活の改善が欠かせません。便秘気味の方は腸閉塞の発症リスクが高いとされるので、便通がよくなるような食事内容を心がけてください。

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