腸閉塞(イレウス)を予防するために、食事で気をつけることは?

2017/12/7 記事改定日: 2019/7/2
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

腸液やガス、糞便などが詰まってしまい、嘔吐や腹痛だけでなく意識障害を引き起こすこともある「腸閉塞(イレウス)」。この腸閉塞(イレウス)を予防するには、食事でどんなことに気をつけたらいいのでしょうか?

腸閉塞(イレウス)で起こる食事のトラブルとは?

腸閉塞(イレウス)は、腸が詰まることで消化液やガス・糞便などが溜まって膨らんでしまう病気です。腸が詰まる原因としては、腸の蠕動運動が止まってしまったり、腹部の手術をした後に腸と他の臓器が癒着してしまったりしたことなどが挙げられます。

腸閉塞になってしまうと、お腹にいろいろなものが溜め込まれ、膨らんで苦しくなります。さらに排便ができないため、食事をすればするほど詰まりはひどくなり、ついには嘔吐を引き起こすこととなります。
重症化すれば栄養の吸収だけでなく水分の吸収も出来なくなり、脱水症状や栄養失調に陥って意識障害が起きることもあります。

また、腸の蠕動運動は免疫機能にも深く関わっており、腸が動かなくなった後に腸内細菌が異常な増殖をして感染症へと発展することもあります。適切な治療をしなければ、やがては命を落とす危険性も出てきます。

腸閉塞(イレウス)のとき、どんな食事を摂ればいい?

腸閉塞(イレウス)を発症したときは、基本的に腸管を休ませるために絶食し、エネルギーや水分を補給するための点滴治療が行われます。絶食の期間は重症度や回復の速さによって異なりますが、一週間程度になるのが一般的です。
また、食事を開始した後はおかゆなど消化のよいものを中心としたメニューを心がけ、野菜やこんにゃくなど食物繊維が多いものや脂っこいものは腸管を詰まりやすくする原因になりますのでできるだけ控えるのがポイントです。

食事で腸閉塞を予防できる?

腸閉塞は重症化すると危険な病気ですが、日々の習慣で予防することもできます。便秘によって閉塞が起きることもあるので、規則的に排便できるような体を作り上げることが大切です。そのためには、適度に消化できるように食べ過ぎを控えたり、早食いをしないように心がけたりする必要があります。

また、便が固くなりすぎないように水分はこまめに摂取して、さつまいもやごぼうなど排便を助ける食物繊維を積極的に食べるようにしましょう。ただ、食物繊維は腸の働きを良くする一方で、摂りすぎると消化できずに蓄積されてしまう恐れがあります。

そして、腸の蠕動運動を助ける善玉菌を増やすために、ヨーグルトや納豆などもたくさん食べるといいでしょう。その他の食材としては、豆腐や白身魚・りんごといった食べ物も消化しやすいのでおすすめです。

控えたほうがよい食べ物は?

脂っこい料理は、胃腸で消化が追いつかずに溜まってしまうことがあるので控えましょう。また、飲酒の習慣を持っている人は、アルコールを摂りすぎないようにしましょう。というのもアルコールは胃腸の粘膜を荒らすので、腸の蠕動運動が鈍ってしまうからです。それにアルコールを摂ると水分の排出が促されるので便が固くなる恐れもあります。

腸閉塞(イレウス)を予防するためのおすすめレシピ

腸閉塞(イレウス)を予防するには、消化がよく、排便されやすいものを意識して摂るようにしましょう。
ここでは腸閉塞(イレウス)の予防におススメのレシピを3つご紹介します。

卵うどん

食事制限中でもしっかりとカロリーや糖質を摂らないと活動に必要なエネルギーを確保できません。がっつり主食を食べたいときは柔らかく煮込んだうどんがおススメです。

昆布や鰹節でしっかりとった出汁をしょうゆやみりん、酒などでお好みに整えます。チルドうどんは半分の長さにカットして出汁の中に投入し、コトコトと柔らかくなるまで煮込みます。十分な柔らかさになったら、溶き卵を回し入れて完成です。

白身魚あんかけ豆腐

良質なたんぱく質を摂取するには、白身魚と豆腐がおススメです。さっぱりしたあんかけにすることで余分な油分をカットすることができます。

タラなどお好みの白身魚は細かくカットしてだし汁で十分に火が通るまで煮込みます。火が通ったらさらに細かくほぐして塩コショウなどでお好みに味付けし、出汁に水溶き片栗粉を投入して適度なとろみをつけます。とろみ餡を水切りした絹豆腐に回しかければ完成です。

鳥ムース

腸閉塞の兆候がある時や腸閉塞発症後におススメなのが消化の良いムースです。鶏肉を使うことで満足感のある一品に仕上げることができます。

鶏むね肉は熱湯でよく煮込んで煮汁少量と共にフードプロセッサーに投入し、滑らかになるまで攪拌します。そこに、マッシュして柔らかくしたジャガイモを混ぜ合わせ、塩コショウなどで味を整えれば完成です。

おわりに:イレウスの予防のためにも消化にいい食生活を心がけよう

腸閉塞の予防のためには、消化にいい食べ物を食べたり、水分をこまめに摂取したりといった日頃の食生活の改善が欠かせません。便秘気味の方は腸閉塞の発症リスクが高いとされるので、便通がよくなるような食事内容を心がけてください。

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