大腿骨頭壊死症(だいたいこっとうえししょう)とは?

2017/12/4

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

大腿骨頭壊死症とは、骨盤部にある臼蓋(きゅうがい)にはまり込む、太腿骨の球状になった部分が壊死してつぶれてしまう病気です。大腿骨頭壊死症の症状や原因、治療についての基礎知識をまとめました。

大腿骨頭壊死症(だいたいこっとうえししょう)とは?

大腿骨頭壊死症は、大腿骨頭という股関節を構成する骨への血流が妨げられることで起こる疾患です。

骨は一見、血管が入るところもなく骨折しても出血、というイメージと結びつかないかもしれませんが、ちゃんと血液を受けとり新陳代謝を繰り返しています。
骨盤が作る股関節の関節面につくこけしの頭のような特徴的な大腿骨の丸い部分を大腿骨頭といいます。この部分は様々な動きを股関節にさせるためにかなり自由に動けるようになっていますが、靭帯などの補助が少なく強度的に弱いという特徴があります。大腿骨頭を栄養する血管は1本しかなく、もともと血流も乏しいため、この血管が閉塞するなどして大腿骨頭への血流が途絶えてしまうと骨の代謝ができなくなり壊死に至ってしまいます。

大腿骨頭壊死症に気がつくキッカケは?

大腿骨頭壊死症は、特徴的な自覚症状があまりありません。多くは大腿骨頭が完全に壊死して大腿骨頭が潰れてしまってから気付きます。潰れたときに壊死した骨の骨膜にある神経が骨の変形を感じることで強い痛みを生じるのです。このメカニズムで痛みを生じるのは骨折と同様のため、壊死した骨頭が潰れたときも骨折と同じような激痛を伴います。

大腿骨頸部骨折などと異なり、単純X線写真であっても特徴的な画像所見が見られるので検査で簡単に診断は出来ますが、そのような場合は骨頭がすっかり壊死してしまっているので股関節の動きがかなり不安定になっているはずです。

何が原因で発症するの?

大腿骨頭壊死症は何らかの原因で大腿骨に血液が送られなくなることによって起こりますが、何が原因であるかを特定できないこともあります。
股関節骨折や脱臼のあとに発症することが多く、糖尿病や腎臓病、アルコール依存などでお酒をたくさん飲む、痛風などがきっかけになることもあるといわれています。また、特にステロイド剤を多く使用したり長期間使用することで誘因されることもあるようです。

どんな治療法があるの?

大腿骨頭壊死症で一度骨頭がつぶれてしまうといくら血流を改善したとしても元には戻りません。壊死した領域がまだ小さく、関節の機能がまだ果たせる場合に限り保存療法を行います。血管に閉塞を起こさないようにコレステロール因子などをコントロールしながら経過を観察します。

しかし、大腿骨頭が完全に壊死してしまった場合は血流改善をしても回復は望めません。骨切り術やボルトで関節を固定する手術療法にを検討することになります。近年は人工関節置換がメジャーな選択になりますが、大掛かりな手術のためある程度のリスクが伴います。人工関節自体の寿命もあるので、医師と相談しながら納得のいく治療方法を選ぶようにしましょう。

おわりに:大腿骨頭壊死症で完全に骨頭がつぶれてしまうと、自然治癒は難しい

骨頭が壊死してつぶれてしまった場合は、もとのとおりに回復することはありません。保存療法で改善できないと判断された場合は手術が検討されますが、手術はリスクを伴うのでメリットとデメリットの双方を事前に説明してもらい、納得したうえで受けるようにしましょう。また、生活習慣病が発症要因になることもあります。この機会に生活習慣を見直し、健康的に過ごすようにしてください。

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