記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/3/16
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
糖尿病は、体内のインスリンの分泌や働きが悪くなって血糖が上昇し、尿中にブドウ糖が漏れ出てしまう病気で定期的なインスリン注射が必要です。子どもの糖尿病の大半は、インスリンを産生できない1型糖尿病です。
肥満が原因の2型糖尿病と診断される子どもは少数でしたが、最近では増加傾向にあります。ここでは子どもが1型糖尿病と診断されたとき、親としてできることについてお話します。
糖尿病は定期的なインスリン注射が必要な病気です。子どもが糖尿病と診断されたら、親は将来について心配するでしょう。待ち受けている様々な問題は、医師や看護師による糖尿病ケアチームがサポートしてくれますので安心してください。
子どもが糖尿病と診断されたら、最初にすることは「糖尿病ケアチーム」に相談することです。
糖尿病を専門とする小児科医と看護師、栄養士、臨床心理士から構成されたケアチームの目的は、子どもを親と一緒に家に帰すことです。子どもは入院した病院または自宅で、ケアを受けることになります。入院した場合は、親が病院に滞在できることが必要になります。
ケアチームから受ける最初のステップは、血糖検査とインスリン注射の方法を学ぶことです。小型の針を指先に刺して微量の血液を採取して血糖をチェックするフィンガープリック(FP)を使ってする血糖検査とインスリン注射を使って、いつ、どのようにして血糖値を検査したらいいかを、実技を交えて学ぶことです。
糖尿病治療には、食生活の改善が欠かせません。栄養士に、どのように食生活を変えていったらよいかを相談してください。
保育園や幼稚園、学校でどのように管理されるべきかについても相談しましょう。子どもの糖尿病について連絡をとる必要があります。
子どもが5歳未満のときは、インスリンポンプを使用してインスリン治療を開始することについて話し合います。インスリンポンプ治療は、小さな子どもにインスリンを与えるよい方法です。
診断結果が子どもの心理にどのように影響を及ぼすかは重要です。最初はショックを受け、考えることを拒否しますが、徐々に受け入れるようになるでしょう。
親としてできることは、自分の気持ちや子どもの心情について臨床心理士に相談することがよいでしょう。
血糖検査とインスリン注射、食生活についての知識を得た親は、子どもの糖尿病を管理する第一歩を踏み出す自信が十分につきます。
この最初のステップを終えると、家に帰れる(退院)ということです。しかし、退院しても糖尿病ケアチームとは定期的に連絡を取り合う必要があります。
親と子どもにとって、糖尿病の生活に適応するのは最初は難しいかもしれません。家族の食生活を変えなければならなかったり、子どもが友だちとちがうことを心配したりするかもしれません。血糖検査とインスリン注射という新しい日課に慣れなければなりません。
子どもは、親の表情をみています。親が動転したり過剰に心配したりすることは、かえって子どもの自由を奪うことになります。普段どおりの生活のなかで、日常生活の一部として子どもの状態をみてください。わからないことはいつでも主治医に聞きましょう。あなたのうしろにはいつも「ケアチーム」がついています。