マレットフィンガーのリハビリと治療は種類別や期間別で違う!?

2017/12/5 記事改定日: 2018/8/1
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

球技をする人は発症リスクが高いといわれる「マレットフィンガー(マレット指)」。今回はそのマレットフィンガーについて、治療やリハビリの注意点を詳しく解説していきます。
マレットフィンガーは種類によって治療法が違ったり、期間によってリハビリ方法が変わります。後遺症を残さないためにも、きちんと理解しておきましょう。

マレットフィンガーとは!?自力で治せないの?

マレットフィンガー(マレット指)は、指の第一関節が木槌のように曲がってしまう症状です。ボールをキャッチするようなときに多く発症し、野球、ソフトボール、バスケットボールで急激に指が曲がってしまうことで起こります。人差し指など日頃よく使う指で起こりやすいです。

第一関節は曲がったままで腫れや痛みがありますが、他の関節には何も症状がありません。自分の意思では伸ばすことができませんが、他の人に手伝ってもらえば伸ばすことができます。

マレットフィンガーはつき指の一種ではありますが、病院できちんとした治療を受けないと指が曲がったままになってしまうこともあるので、必ず病院で治療してもらいましょう。

治療法はマレットフィンガーの種類によって違う!?

マレットフィンガーは「腱性マレット変形」と「骨性マレット変形」の2つに分けられます。

腱性マレット変形

腱性マレット変形は指を伸ばすために使う伸筋腱が切れてしまうことで起こり、腱性マレットフィンガーとも呼ばれます。腱は薄いため手術が難しく、一般的に保存療法が選択されます。腱性マレット変形は腱だけに問題が起こり、骨には異常は起こりません。

骨性マレット変形

骨性マレット変形は、第一関節の中の骨が折れてしまうことで起こります。骨性マレットフィンガーとも呼ばれていて、治療では主に手術が適用されます。

マレットフィンガーの保存療法

マレットフィンガーの保存療法では、曲がってしまった第一関節に木を添えたり、装具をあてることで指を伸ばした状態に固定します。
添え木や装具は、入浴や顔を洗うような短い間であれば外しても構いませんが、外したままにしておくと曲がった状態に戻ってしまうので、水気を拭いたら必ず固定し直してください。
なお、強く固定するので、最初のうちは内出血することがあります。

腱は一度切れてしまうとなかなか回復しません。スポーツ選手が早期の復帰を考えたときには、入浴する際も固定を外さずに過ごすなど、集中的に徹底した治療を進めていくこともあります。

マレットフィンガーの手術療法

マレットフィンガーの手術療法は、最近は切開することなく行われるようになりました。現在では、鋼線を皮膚の上から差し込んで、骨のズレを治すように固定する手術が一般的です。
手術後は鋼線が肌の上から出ている状態になるので、雑菌が入らないように注意しなければいけません。鋼線が入っている部分は毎日観察し、シャワーで清潔な状態を維持します。

固定期間とリハビリ期間

鋼線は4週間を目途に除去され、その後は指を動かすためのリハビリに入ります。最初はなかなか指を動かすことが難しい状態ですが、継続することで動かせる範囲を少しずつ広げていくことができます。リハビリには1カ月以上かかることもあるので、焦らずじっくりと取り組むようにしましょう。なお、この間無理にスポーツに復帰するのは良くありません。

マレットフィンガーのリハビリ

マレットフィンガーの治療は長い固定期間が必要なため、治療後のリハビリにかかる期間も長くなりやすいのが特徴です。

リハビリは固定期間にも無理のない範囲で行う必要があります。もちろん固定部位を動かすことはできませんが、他の指や腕などを適度に動かして筋力が低下するのを防ぎましょう。

また、固定が外れた後から2~4週間ほどの期間は可動域訓練期間であり、長期間の固定によって硬くなった指の関節を和らげるために柔らかいものを握ったり、指をゆっくり伸ばしたりする訓練が必要になります。

可動域訓練によって、指の硬さが改善されたら、次は筋力の強化を行います。長い固定期間によって指の筋力は意外なほど落ちているものですが、焦らず無理のない範囲で関節に負荷のかかる指の屈伸運動などを行います。
多くは、受傷後2~3か月でこのような一連のリハビリを終了し、競技に復帰することが可能です。

おわりに:マレットフィンガーは種類別で治療法が違う。期間ごとにリハビリ方法も違うので注意。

同じマレットフィンガーでも、「腱性マレット変形」か「骨性マレット変形」かによって、治療法は大きく変わっていきます。指の変形を防ぐためには、いずれにしても根気よく治療を続けていくことが大切です。
また、受傷後どれくらいの期間が経っているか、治療後どれくらいの期間が経っているかでリハビリ方法が違います。医師や理学療法士の指示に従い、自分の状態にあったリハビリをしましょう。

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