記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/5 記事改定日: 2019/8/5
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
マレットフィンガーは球技をする人に多いケガです。今回はマレットフィンガーの治療やリハビリの注意点を詳しく解説していきます。
マレットフィンガーは状態によって治療やリハビリの方法が変わります。後遺症を残さないためにも、きちんと理解しておきましょう。
マレットフィンガー(マレット指)は、指の第一関節が木槌のように曲がってしまうケガのことです。
など、ボールをキャッチする動きがあるスポーツで指が急激に曲がったときに起こります。人差し指など日頃よく使う指ではとくに起こりやすいです。
などの症状がありますが、他の関節には何も症状も出ません。
また、曲がった指は自分の意思では伸ばすことができませんが、他の人に手伝ってもらえば伸ばすことができます。
マレットフィンガーはつき指の一種ではありますが、病院できちんとした治療を受けないと後遺症がのこることがあるので、必ず病院で治療してもらいましょう。
マレットフィンガーは適切な治療を行わないと、次のような後遺症をのこすことがあります。
マレットフィンガーは腱性マレット変形と骨性マレット変形の2つがあり、それぞれで治療方法が違います。
腱は薄いため手術が難しく、一般的に保存療法が選択されます。
治療では主に手術が適用されます。
マレットフィンガーの保存療法では
といった治療をします。
添え木や装具を強く固定するので、最初のうちは内出血することがあります。
入浴や顔を洗うような短い間であれば外しても構いませんが、外したままにしておくと曲がった状態に戻ってしまうので、水気を拭いたら必ず固定し直してください。
腱は一度切れてしまうとなかなか回復しないので、スポーツ選手が早期の復帰を考えたときには、入浴する際も固定を外さずに過ごすなど、集中的に徹底した治療を進めていくこともあります。
最近のマレットフィンガーの手術では、あまり切開しないようになりました。
現在は鋼線を皮膚の上から差し込んで、骨のズレを治すように固定する方法の手術が一般的です。
手術後は鋼線が肌の上から出ている状態になるので、雑菌が入らないように注意しなければいけません。鋼線が入っている部分は毎日観察し、シャワーで清潔な状態を維持します。
鋼線は4週間を目途に取り外され、その後は指を動かすためのリハビリに入ります。
最初はなかなか指を動かせないでしょうが、リハビリを続けていくことで動かせる範囲を少しずつ広げられるようになるので、あせらず取り組みましょう。
なお、この間に無理にスポーツに復帰するのは良くありません。
マレットフィンガーの治療は長い固定期間が必要なため、治療後のリハビリにかかる期間も長くなりやすいです。
多くは、受傷後2~3か月でこのような一連のリハビリを終了し、競技に復帰できるようになります。
マレットフィンガーは「腱性マレット変形」か「骨性マレット変形」かによって、治療内容が変わります。ただ、どちらであっても、指の変形を防ぐためには根気よく治療を続けていくこと必要であり
ことが大切です。
医師や理学療法士の指示に従い、自分の状態にあったスケジュールで治療やリハビリに取り組みましょう。