下肢静脈瘤の症状の特徴は?セルフケアで症状を緩和できる?

2017/12/12 記事改定日: 2019/4/5
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

足の静脈が膨らみ、瘤のように浮かび上がってきているのであれば、それは「下肢静脈瘤」の可能性があります。今回の記事では下肢静脈瘤の症状や原因、セルフケアの方法など全般的な情報をお伝えしていきます。

下肢静脈瘤はどんな病気なの?

下肢静脈瘤は、足の静脈が瘤のように膨らむ病気です。悪性ではなく良性の瘤なので、放置しておいても命の危機につながると言うリスクはありませんが、放置していても自然に治ることはなく、見た目も足がでこぼことしたような状態になる、あるいはむくみや疲労感などに悩まされることも多いです。

また、重症化すると、静脈が破れ内出血が起きたり、湿疹の発生などにつながることもあるので治療することをおすすめします。

下肢静脈瘤は性別、年齢問わず起こり得ますが、男性よりも筋肉量が少ない女性の方が発症率は高いとIわれています。加えて年齢を重ねることで筋肉量の減少や血管の劣化が起こりやすくなるので、年齢を重ねた人の方が起こりやすい傾向にあります。

原因

下肢静脈瘤の原因は、足の静脈の弁が壊れてしまうことです。血管には動脈と静脈の2種類がありますが、足の静脈は下半身で利用された血液を心臓に戻す役割を担っています。

静脈では下から上へ血液を戻す、つまり重力に逆らって血液を戻すため、逆流を防止するための弁が存在しています。
何らかの理由でこの弁が壊れてしまったり血液が戻せない状態になってしまうと、汚れた血液が回収されず静脈に溜まってしまい、それにより静脈が瘤のように膨らんでしまうのです。
そして溜まってしまった汚れた血液が回収されないままになると、むくみや足の疲労感が出てくるようになります。

筋肉量の低下や運動不足、加齢などによる静脈から心臓に血液を戻す力の低下が関係していると考えられています。

下肢静脈瘤になるとどんな症状が出てくるの?

下肢静脈瘤の代表的な症状のひとつは、静脈内に血液が溜まることで静脈がでこぼこと膨らむことです。ぼこぼこした筋が曲がりくねったような状態になって、足に表出してきます。ただし、こうした静脈にできる瘤は表在静脈のみで、深部静脈に発生することはありません。

それからもうひとつの代表的な症状としては、むくみと足の疲労感が挙げられます。汚れた血液が回収されずに静脈に溜まったままなので、こうした症状は出やすくなります。

更に静脈の機能そのものが低下するので、足の血液循環も低下し、皮膚の変色や湿疹などが出てくることもあります。これを放置していると、皮膚の炎症や色素沈着につながる恐れもあります。

下肢静脈瘤の治療法と注意点について

下肢静脈瘤の治療法にはいくつかの種類があります。

ひとつは下半身の血液を心臓に戻すための力を補うため、弾性ストッキングを着用する方法です。
それから静脈を注射で固めてしまう硬化療法があります。硬化した静脈は最終的には組織に吸収されていき消滅するので、静脈のでこぼこを解消するのには適した治療法です。
ほかには、静脈を引き抜く手術療法とレーザーで静脈を焼いてしまう治療法があります。

それぞれの治療法にはメリット、デメリットもあり、たとえば弾性ストッキングの着用は体への負担は少ないですが、根本的な解決にはつながりません。
手術療法は痛みなどの体の負担はかかりますが、根本的な解決が期待できるというメリットがあります。
治療法を選択する際には、その人の年齢や症状の程度、また生活習慣などに合わせて、医師と相談しながら適切なものを選ぶよう注意する必要があります。

セルフケアで改善できる?

下肢静脈瘤の症状は、ふくらはぎのマッサージやエクササイズなどで改善することがあります。発症予防効果もありますので、長時間の立位やデスクワークなどが多い人はぜひ試してみましょう。

マッサージ

夕浴後や就寝前などに座った状態でふくらはぎを足首から膝裏まで押し出すように撫で上げます。力を入れて行う必要はなく、手のひら全体でふくらはぎを包んで行うのがポイントです。また、お好みのアロマオイルなどを使用するとリラックス効果もあるのでおススメです。
ただし、皮膚の変色や潰瘍などのある重症な下肢静脈瘤ではマッサージを行うことでかえって症状が悪化することもありますので、自己判断でセルフケアを行わず医師の指導の下で行うようにしましょう。

エクササイズ

下肢静脈瘤は、運動をして血行をよくしたり、肥満を解消したりすることで発症・悪化を予防することができます。特にウォーキングや軽めのジョギング、水中ウォーキングなどは下肢の血行を改善する効果があるのでおススメです。

また、日常的にこれらの運動時間を確保できない人は、こまめに足の指や足首を回したり、スキマ時間に座った状態で膝を伸ばして足を上げるなどの運動を行うとよいでしょう。
その他にも、仰向けの状態で両手足を上げて振る「ゴキブリ体操」と呼ばれるものも下肢静脈瘤の予防・改善に有用として推奨されています。

おわりに:症状の改善のために、自身の状態に合った適切な治療を

下肢静脈瘤は放置するとむくみや足の疲労感につながったり、さらには皮膚疾患も引き起こしたりすることがあります。治療法にはさまざまなものがあるので、専門医のもと、ご自身の状態に合った治療を選択していきましょう。

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