アルコール依存症はどうやって治療するの?

2017/12/11

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

飲酒に過度に依存し、日常生活に支障をきたすようになる「アルコール依存症」。このアルコール依存症に対しては、どういった治療が行われるのでしょうか?

アルコール依存症とは?

アルコール依存症は、薬物依存の一種に分類されている病気です。私たちは飲み会などで飲酒をする機会がありますが、飲む量を自分でコントロールできない状態のことをアルコール依存症と呼びます。誰でも時々お酒が欲しいと思う日はあると思われますが、依存症になると脳に異常が起きてその欲求は止まらなくなるのです。

アルコール依存症にかかるとアルコールの摂取量のコントロールができなくなるどころか、人間関係にも支障をきたすことが多いです。また人格が変わることが多く、優しい人が突然家庭内での暴力をふるうケースが後を絶ちません。

アルコール依存症の治療法について

アルコール依存症は肉体的に異変を感じないため、自覚症状などを感じないと言われています。また家庭内で信頼できる人や何でも気軽に話ができる親友がいない場合は、どうしてもアルコール依存症に走ってしまう傾向があります。

最善の治療方法は、まず患者さんに向き合って、どのようなことでストレスを抱えているのかをご家族が把握することです。アルコールに手を出してしまうと、必ずイライラしたり、手が震えてしまうなどの症状が現れます。よってアルコール以外に、何か現実逃避をしたいと思うような心の癒しを見つける必要があるでしょう。その癒しを見つけるためには、最初のステップとして人間関係を家庭内から円滑にする努力をすることが大切です。

アルコール依存症の精神治療について

もしアルコール依存症と診断された場合は、たいていの場合は入院治療を進められます。なぜなら同じような精神疾患を抱えた患者たちが、お互いに分かち合えるような場が設けられているからです。アルコールから抜け出せない気持ちを分かり合える人がいれば、その人との信頼関係を築ける可能性が高くなります。まずはアルコールを完全に断つのではなく、むしろ心の安定を保つのが第一とされていますから、このようなプログラムは患者にとっても比較的に負担がかかりにくいのです。また、治療中は飲酒以外のストレスの対処法も学んでいきます。

そうして精神が安定してきたら、断酒をしながら家族と共に回復をサポートする段階に入っていきます。ただ、アルコール依存症は完全に回復した後でもまた何かしらのストレスを抱えて再発する可能性があるので、定期的に通院を継続することが大切です。

アルコール依存症が治るまでにはどのくらいかかるの?

入院からリハビリを終えるまでには、最低でも半年くらいの時間が必要とされます。ただ、意志が弱い人ほど心の安定を保つのに時間がかかる傾向があるので、一年間の入院も考えておくべきでしょう。そこで良好な人間関係を築くことができれば、比較的スムーズにアルコール依存から抜け出せることがあります。

おわりに:まずは専門の医療機関にて相談を

アルコール依存症を治療するには、ストレスへの対処法を学んだり、同じような立場の人と話したりすることで精神的な安定を図ることが非常に重要とされています。実施される治療法は病院によって異なる場合があるので、治療をお考えの場合は、まず専門の医療機関にて相談することをおすすめします。

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