骨軟化症とくる病・骨粗鬆症との違いとは?症状や治療法の種類って?

2017/12/12 記事改定日: 2020/8/31
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

国の指定難病に定められている「骨軟化症」。今回の記事では骨軟化症について、症状や原因、治療法など全般的な情報をお伝えしていきます。

骨軟化症とは?くる病・骨粗鬆症との違いって?

軟骨を含む骨は、実は最初から硬いわけではありません。これらが硬化されるためには軟らかい状態の骨にカルシウムがしっかりと沈着して、石灰化されることが必要です。

つまりこの石灰化が正しく行われなければ骨は軟らかいままであり、それにより体には大きな支障が出てくるとも考えられます。

骨軟化症とは

骨軟化症は、カルシウム沈着による骨の石灰化が正しく行われないことで様々な症状が出てきてしまう病気のことです。ちなみに骨軟化症は骨の成長が発生した後、成人以降に発症した際の呼び方です。

くる病

骨が成長前にある幼児が骨軟化症を発症した場合には、くる病と呼ばれるのが一般的とされています。性別問わず発症する病ですが、男性よりは女性の方がかかりやすい傾向にあります。

骨粗鬆症

骨粗鬆症とは、骨の「形成」と「破壊」のバランスが乱れることによって引き起こされる病気です。骨は常に同じ状態をキープしているわけではなく、新陳代謝を繰り返しています。その際、新たなに形成される骨と古くなって破壊される骨はちょうどよいバランスに保たれていますが、加齢・運動不足・カルシウム不足・ストレス・アルコールの多飲などが原因となって骨の形成が上手くいかなくなると形成と破壊のバランスが乱れて骨が脆い状態となるのです。

骨軟化症に初期症状はある?どんな痛みが出る?

骨軟化症は、初期段階ではほとんど自覚症状はありません。石灰化は体の内側で行われているので目に見えません。その支障が症状として出てくるまでにはある程度の時間を要するためです。

しかし骨軟化症としての病状が進行してくると、慢性的な体の痛みや動作の困難などの症状が出やすくなります。体の痛みが出てくるのは主に関節部分などです。

そのほか、軟らかい骨の代わりに体を支えようと筋肉がいつも以上に働くため、筋肉痛のような痛みが出てくることも多く、その痛みによる疲労感が出やすいことも症状のひとつです。

さらに症状が進行すると、やがて骨が変形したり些細な衝撃で折れてしまったりします。この段階になると立ち上がる、歩くといったことすら困難になることもあります。

  • 進行すると出てくる症状
  • 慢性的な関節の痛み
  • 筋肉痛のような痛み
  • 動作の困難
  • 疲労感
  • 骨の変形や骨折

骨軟化症の原因はビタミンD不足?

骨軟化症の原因はいくつかあります。まずはビタミンDの欠乏です。骨の石灰化にはビタミンDが欠かせないため、それが不足することで石灰化に支障が発生し、骨軟化症を発症すると言うのがそのメカニズムです。

ビタミンDは日光を浴びることで体内で生産されるので、日光にあたる時間の不足、またビタミンDの吸収不足、ビタミンを生産する際に必要な酵素の不足などがビタミンD欠乏の原因としては考えられています。

またビタミンDはリンとも関わりが深い成分であることから、腎尿細管においてリンの再吸収に支障が発生した場合にもビタミンD不足が起き、骨軟化症につながる可能性も考えられています。更に骨や軟骨にがん、腫瘍などができた場合、それが原因で骨軟化症が発症することもあります。

骨軟化症の治療法は?薬剤と手術療法などの目的は?

骨軟化症では症状によって、薬剤と手術療法から適切な治療法が選択されます。

薬物療法

骨軟化症の治療法ですが、ひとつは体内で生産されるビタミンD量を増加させることが挙げられます。具体的には、屋外での適度な日光浴が代表的な方法です。更にそれと併せてビタミンD製剤やリン製剤が投与されることもあります。

ただし薬剤の投与に関しては、症状を見ながら選択されるのが一般的です。それほど製剤が必要ないと判断された場合はサプリメントの服用が推奨されることもあり、この場合にはカルシウムサプリメントが候補に挙げられることもあります。

手術療法

症状が進行して骨に変形が起きている、それにより日常生活の動作にすら支障が出ている場合には、骨を矯正するためあるいは骨を延長させるための手術療法が選択されます。このふたつは、骨軟化症における低身長にも効果が期待できると考えられている治療法です。

おわりに:骨軟化症が進行すると骨の変形や骨折する恐れも

ビタミンDの欠乏などによって発症する骨軟化症では、ビタミンD量を増加させるような治療を継続的に行っていく必要があります。骨軟化症は進行すると骨の変形や骨折の頻度増加につながるおそれがあるので、早期のうちから適切なケアを続けていきましょう。

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