骨軟化症とは ~ 症状・原因・治療 ~

2017/12/12

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

国の指定難病に定められている「骨軟化症」。今回の記事では骨軟化症について、症状や原因、治療法など全般的な情報をお伝えしていきます。

骨軟化症とは

軟骨を含む骨は、実は最初から硬いわけではありません。これらが硬化されるためには軟らかい状態の骨にカルシウムがしっかりと沈着して、石灰化されることが必要です。つまりこの石灰化が正しく行われなければ骨は軟らかいままであり、それにより体には大きな支障が出てくるとも考えられます。

骨軟化症は、このようにカルシウム沈着による骨の石灰化が正しく行われないことで様々な症状が出てきてしまう病気のことです。ちなみに骨軟化症は骨の成長が発生した後、成人以降に発症した際の呼び方です。骨が成長前にある幼児がこれを発症した場合には、くる病と呼ばれるのが一般的とされています。性別問わず発症する病ですが、男性よりは女性の方がかかりやすい傾向にあります。

骨軟化症の症状

骨軟化症は、初期段階ではほとんど自覚症状はありません。石灰化と言うのは体の内側で行われており目に見えないため、その支障が症状として出てくるまでにはある程度の時間を要するためです。

しかし骨軟化症としての病状が進行してくると、慢性的な体の痛みや動作の困難などの症状が出やすくなります。体の痛みと言うのは関節部分などは勿論ですが、軟らかい骨の代りに体を支えようと筋肉がいつも以上に働くため、筋肉痛のような痛みが出てくることも多いです。

またそれによる疲労感も出やすい症状のひとつです。そして更に症状が進行すると、やがて骨が変形したり些細な衝撃で折れてしまったりします。こうなると立ち上がる、歩くと言ったことすら困難になる恐れもあります。

骨軟化症の原因

骨軟化症の原因はいくつかあります。まずはビタミンDの欠乏です。骨の石灰化にはビタミンDが欠かせないため、それが不足することで石灰化に支障が発生し、骨軟化症を発症すると言うのがそのメカニズムです。ビタミンDは日光を浴びることで体内で生産されるので、日光にあたる時間の不足、またビタミンDの吸収不足、ビタミンを生産する際に必要な酵素の不足などがビタミンD欠乏の原因としては考えられています。

またビタミンDはリンとも関わりが深い成分であることから、腎尿細管においてリンの再吸収に支障が発生した場合にもビタミンD不足が起き、骨軟化症につながる可能性も考えられています。更に骨や軟骨に癌、腫瘍などができた場合、それが原因で骨軟化症が発症することもあります。

骨軟化症の治療法

骨軟化症の治療法ですが、ひとつは体内で生産されるビタミンD量を増加させることが挙げられます。具体的には、屋外での適度な日光浴が代表的な方法です。更にそれと併せてビタミンD製剤やリン製剤が投与されることもあります。ただし薬剤の投与に関しては、症状を見ながら選択されるのが一般的です。それほど製剤が必要ないと判断された場合はサプリメントの服用が推奨されることもあり、この場合にはカルシウムサプリメントが候補に挙げられることもあります。

なお、症状が進行して骨に変形が起きている、それにより日常生活の動作にすら支障が出ている場合には、骨を矯正するためあるいは骨を延長させるための手術療法が選択されます。このふたつは、骨軟化症における低身長にも効果が期待できると考えられている治療法です。

おわりに:骨軟化症が進行すると、ちょっとしたことで骨折する恐れも

ビタミンDの欠乏などによって発症する骨軟化症では、ビタミンD量を増加させるような治療を継続的に行っていく必要があります。骨軟化症は進行すると骨の変形や骨折の頻度増加につながる恐れがあるので、早期のうちから適切なケアを続けていきましょう。

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