記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/19
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
筋膜リリースは筋膜のコリや緊張をほぐす施術です。マッサージと似ていますが、マッサージは筋肉にアプローチする施術のため、目的が違います。この記事では、筋膜リリースの効果と方法を解説しています。
筋膜とは、筋肉を包み込む薄い膜のことです。体全体を包み込むように分布し、一番外側の筋外膜、筋線維を束ねるように包み込んでいる筋周膜、筋線維を1本ずつ包んでいる筋内膜があります。
筋膜は、包み込んでいる器官や組織の位置や形を安定させ、組織を結合する働きを担っています。運動不足や長時間の同一姿勢が続くと、筋膜が凝り固まってその役割が低下し、包み込んでいる器官や組織の働きも低下することがあると考えられています。
筋膜リリースとは凝り固まった、あるいは組織と癒着してしまっている状態の筋膜をひきはがし、正常な状態に戻す施術です。日本語で訳された時には、筋膜はがしと言う言葉が用いられることもあります。
筋膜リリースは、筋膜を正しい状態に戻すことを目的に行われます。筋膜の状態を正しくすることで、筋膜が包み込んでいる器官の位置が改善することで、機能低下の改善が期待できます。
また、筋膜が正しい状態にもどることで、筋肉や筋膜の血流やリンパの流れが改善し、筋肉の緊張がほぐれやすくなるといわれています。
そのため筋膜リリースは、スポーツ時の筋肉疲労や筋肉の不調の改善だけでなく、美容的な目的でも使われることがあります。
筋膜リリースには様々なやり方がありますが、筋肉(筋膜)に圧力をかけながら体や筋肉を動かしていくということは共通しています。
例えば、テニスボールを腰や太腿の筋肉にあてがい体重をかけ、テニスボールが筋肉の上を転がっていくように体を動かしていくと、硬く縮こまっていた筋膜がほぐされ、筋膜と筋肉がゆるんでいくといわれています。
また、仰向けに寝てから肩甲骨の間にボールを置き、体重をかけながら両腕を前後や上下に動かしていくことで、肩甲骨のまわりの筋膜がゆるみ、肩甲骨や肩の可動性が改善することがあります。
各スポーツメーカーから販売されている筋膜リリース専用器具を使えば、より確実に筋膜をリリースできるので、効果も出やすくなるでしょう。
ただし、筋膜リリースをするときは、圧力をかけすぎてしまうと筋膜を痛めてしまう可能性があるので注意してください。
筋膜リリースはマッサージと似ていますが、アプローチするものが違います。筋肉をマッサージするときのように押したり揉んだりしすぎてしまうと、効果が出ないばかりか筋膜を傷つけてしまうことがあるのです。
専用器具を使ったり、トレーナーなどの専門家に指導を仰ぎながら、正しい方法で行いましょう。