二次性高血圧の原因疾患にはどんなものがあるの?

2018/1/31 記事改定日: 2019/4/4
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

高血圧には、本態性高血圧と二次性高血圧の2種類あり、生活習慣や遺伝などが原因の高血圧が本態性高血圧、何らかの病気が原因のものは二次性高血圧になります。
この記事では、二次性高血圧の原因疾患の特徴を種類別に分けて解説していきます。

二次性高血圧とは?

二次性高血圧とは、他の病気や薬の影響など原因がはっきりしている高血圧のことです。一方、生活習慣病や遺伝などが原因の高血圧のことを本態性高血圧といいます。
二次性高血圧の人の血圧の大半は非常に高い値を示すことが特徴です。

二次性高血圧の原因疾患の種類には

  • 原発性アルドステロン症
  • 腎実質性高血圧
  • 腎血管性高血圧
  • クッシング症候群
  • 褐色細胞腫
  • 薬剤性高血圧

などがあり、それぞれ原因や治療法などが異なります。また、上記以外にも、甲状腺ホルモンの異常などで起こることもあります。

病気が原因で血圧が上がっているため、原因疾患を治療することで高血圧は改善することが多く、高血圧による合併症も改善するケースがあります。
そのため、高血圧とわかった場合は、本態性高血圧か二次性高血圧かを見極める必要があります。

  • 若い世代の高血圧
  • 進行が激しい高血圧
  • 血圧降下剤などの治療で改善しない高血圧
  • 心肥大や腎障害などが急激に進む高血圧
  • ナトリウムやカリウム濃度の異常(電解質異常)が併発している高血圧

以上の特徴が見られる高血圧は二次性高血圧の可能性があります。

二次性高血圧の原因疾患の特徴は?

二次性高血圧の種類別に分けて、原因疾患について解説していきましょう。

原発性アルドステロン症

アルドステロンには血圧を上昇させる働きがあります。副腎からアルドステロンが過剰に分泌されることが原因の高血圧です。自覚症状がほとんど現れず、血液検査でアルドステロンの異常やカリウム濃度の異常、活性型レニン濃度などに異常がみられた場合、確定診断のためにより詳細な検査を行います。

腎実質性高血圧

腎機能が低下することで、塩分などが体内に溜まってしまうことが原因で起こる高血圧です。急性腎炎や慢性腎炎での発症が多く、発見が遅れて腎機能が著しく低下した場合は改善が難しくなるといわれています。

腎血管性高血圧

腎動脈狭窄が原因で起こる高血圧です。本態性高血圧や原発性アルドステロン症と同じく自覚症状が無いケースが多く、大動脈炎症候群や線維筋性異形成を合併することがあります。

クッシング症候群

副腎からコルチゾールが過剰分泌されることで発症する高血圧です。コルチゾールには血圧を上昇させる以外にも、顔や胸、腹などに皮下脂肪を増やす働きや血糖値を上昇させる働きがあるため、それらの症状が出ることがあります。ただし、高血圧以外の症状が出ないこともあります。

褐色細胞腫

副腎からカテコールアミンが過剰分泌されることで起こる高血圧です。褐色細胞腫を発症すると、高血圧以外にも、頭痛や発汗、動悸、顔面蒼白、体重減少などが現れることがあります。

甲状腺機能障害

甲状腺の機能が低下し、体内に過剰な水分が溜まることで引き起こされる高血圧です。
全身の新陳代謝を促す甲状腺ホルモンの分泌が低下することによって、体重増加、むくみ、便秘、皮膚の乾燥、寒がり、脱毛などの身体症状や、抑うつ気分、過眠、けだるさなどの精神症状といった様々な症状が見られるようになります。

自己免疫の異常によって甲状腺に慢性的な炎症が生じる橋本病が原因のことが多く、中年以降の女性に多く発症します。
また、甲状腺機能障害によって引き起こされる二次性高血圧は、夕方などむくみが強くなった時に生じやすく、息切れや息苦しさなどを伴うのが特徴です。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群では、慢性的な睡眠不足状態になるため自律神経のバランスが崩れやすくなります。その結果、交感神経が過度に興奮して全身の血管が収縮することで高血圧が引き起こされます。

睡眠時無呼吸症候群で生じる二次性高血圧は、動悸や発汗などの自律神経失調症状を伴いやすく、昼間よりも夜間に血圧が上昇しやすいのが特徴です。また、通常の高血圧と比べて心筋梗塞などを発症するリスクが高いとされているのも特徴の一つです。

薬剤性高血圧

高血圧以外の薬剤の影響で発症する高血圧です。非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)や甘草を含む漢方薬などが原因で起こります。

二次性高血圧はどうやって治療するの?

二次性高血圧の治療は原因となる病気の治療や薬剤の中止が治療の中心になります。

ただし、薬剤の影響には個人差があり、持病によっては薬の中止や変更が困難な場合があるため、自己判断で中止するのではなく必ず医師の指示に従いましょう。薬の変更や中止ができない場合は、降圧剤の追加投与が行われることもあります。

病気が原因のものに関しても、病気の治療と並行しながら降圧剤が使われることがあります。治療方法は病気ごとや病気の進行度でも変わってくるため、適切な治療には詳細な検査が必要です。

おわりに:二次性高血圧は生活習慣が直接の原因ではない。高血圧が疑われるときは必ず医師に相談しよう

二次性高血圧は、病気や薬剤の影響で起こる高血圧であり、生活習慣が直接の原因ではありません。二次性高血圧の中には降圧剤が効かない場合もあるため、高血圧を治療するには何が原因で高血圧になっているのかを追求する必要があります。
同じ二次性高血圧でも原因疾患によって治療方法が変わってきますので、高血圧になってしまった場合は、自己判断でケアする前に必ず病院で検査してもらいましょう。

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