原発性アルドステロン症は手術で治すことができる?

2017/12/13

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

原発性アルドステロン症は、副腎に腫瘍ができることでアルドステロンが過剰に分泌されてしまい、高血圧症を発症する病気です。この記事では、原発性アルドステロン症の治療について解説しています。特に手術療法について詳しく紹介していくので参考にしてください。

原発性アルドステロン症について

原発性アルドステロン症は、副腎皮質でつくられるアルドステロンと呼ばれるホルモンが過剰に分泌されることで高血圧症を発症します。アルドステロンの過剰分泌の原因は腎臓の上方にある副腎に腫瘍ができることで起こると考えられていますが、副腎に腫瘍ができる原因やなぜアルドステロンの過剰分泌が起こるのかについては解明されていません。

腫瘍ができた副腎を手術で摘出することで高血圧症の症状が改善し、降圧剤を服用し続ける必要がなくなるケースもあります。これまでは稀な病気と思われていた原発性アルドステロン症ですが、この病気が原因で高血圧症になっている患者が、従来考えられていた以上に多いことが指摘されるようになってきています。

原発性アルドステロン症の手術内容

血液検査などで原発性アルドステロン症と診断された場合、アルドステロン過剰分泌の原因となった腫瘍ができている方の副腎を摘出することがあります。この手術は腹腔鏡下で行われますが、腹部に4か所の小さな穴を開けて腹腔鏡と呼ばれるカメラの付いた器具を入れて、モニター画面を見ながら副腎の摘出を行います(腹腔鏡下副腎摘出術)。

傷口が小さいことから痛みが少なく術後の回復も早いことから、入院期間も短く済むようになっています。副腎を片方摘出しても、もう片方が正常に機能していれば一般的には特に問題はありません。両方の副腎に腫瘍がある場合や患者が手術を望まない場合には、薬の内服による治療が必要です。

原発性アルドステロン症は手術で治る可能性があるの?

腫瘍ができる原因はわかっていませんが、原発性アルドステロン症は副腎に腫瘍ができることが影響して高血圧症を発症することはわかっています。そのため、原因となった副腎を手術で摘出することで過剰なアルドステロン分泌がなくなり、高血圧症も治まる可能性が高いといわれています。

若い世代で高血圧症を発症してしまう人に原発性アルドステロン症が多く見られるといわれています。その後の長い人生を考えた場合、降圧剤をずっと服用し続けることになってしまったり、高血圧症による動脈硬化などのリスクを高めてしまうよりは、手術で副腎を摘出することが好ましいと考えられています。

とにかく早期発見・治療が肝心!

高血圧症はサイレントキラーと形容されている通り、特に自覚症状がないまま動脈硬化に進行し、心筋梗塞や不整脈、脳卒中や腎不全などの深刻な病気を合併するリスクを高めます。
原発性アルドステロン症を放置し高血圧症の状態が続けば、高血圧症の合併症のリスクも高まってしまうでしょう。

原発性アルドステロン症は手術で改善が期待できる病気です。
早期発見して治療を開始できれば、合併症の発症の予防につながります。これは手術でなく薬による治療でも同様です。

おわりに:原発性アルドステロン症は手術で治療可能な病気。高血圧症の人で原因がはっきりしていない人は医師に相談してみよう

高血圧症は心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる合併症を引き起こします。高血圧症、特に若年の高血圧症は原発性アルドステロン症が原因になっていることも多く、その中にはまだ診断されていない人も少なくないと考えられています。高血圧症と診断されているけど、生活習慣などに問題がないと思われる人は、医師に相談して原発性アルドステロン症の検査を検討してみてはいかがでしょうか。

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