PMSの薬でおすすめのものは? 市販薬、処方薬、漢方薬など一挙紹介

2017/12/14 記事改定日: 2018/3/28
記事改定回数:1回

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

お腹の張りやイライラなど、さまざまな身体・精神症状が起こることのある「PMS(月経前症候群)」。今回の記事では、そんなPMSを緩和するために使われる処方薬や、おすすめの市販薬、漢方薬の効果などについて解説していきます。

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PMSの薬。市販でおすすめのものは?

月経前に現れる身体的、精神的な症状はPMS(月経前症候群)とよばれています。PMSの身体的症状としては、乳房のはりや痛みをはじめ、肌荒れや頭痛などさまざまなものがあります。一方の精神的症状は、イライラや憂鬱、情緒不安定などです。

PMSの症状は市販薬でも軽減できることがありますが、まず市販薬を服用する前に、「専門外来の受診・検査によって、PMSであることがはっきりしている」「病院を受診するほど深刻な症状ではない」ということが大前提となります。これらの条件をクリアしている方であれば、下記の市販薬をおすすめします。

プレフェミン®

イライラや胸の張りといった、軽度〜中等度のPMS症状を緩和する効果があります。ヨーロッパで古くからPMSの治療に使われてきた、西洋ハーブのチェストベリー乾燥エキスが含まれています。

命の母ホワイト®

「女性の薬」として使われてきた11種類の生薬が配合されており、生理前〜生理中のイライラや肌荒れ、倦怠感、生理痛などのさまざまな精神・身体症状を緩和する効果があります。

PMSで処方される薬は?

PMSの患者さんに病院が処方する薬としては、以下のものが一般的です。

ピル

ピルは卵胞ホルモンと黄体ホルモンを含んだ薬なので、服用すると排卵が止まり、排卵前特有の症状が出なくなり、PMSの症状を抑えることができます。ただし、副作用としてむくみや体重増加などが現れることがあります。

鎮痛薬

ピル以外に処方される薬としては、腹痛の場合はロキソプロフェンなどの、プロスタグランジン合成阻害薬の非ステロイド系抗炎症薬をメインとした鎮痛薬が多いです。

抗うつ薬

イライラするなどの精神的な症状に対しては抗うつ薬が処方されることもあります。

ビタミン剤

ビタミンB6が足りなくなると、抑うつ状態になりPMSになりやすくなるとも考えられているため、ビタミンB6などのビタミン剤を使った治療がされることもあります。

漢方薬でPMSが改善するって本当?

月経前後をはじめ、女性の体はストレスや冷えなどの原因により、血の流れが悪くなりむくみやすくなりますが、それらがPMSを引き起こすことにつながります。つまり、PMSは身体のバランスが崩れている結果として起こることが多いのです。漢方薬には身体のバランスを整える効果があり、そのためPMSの治療に用いられることがあります。

漢方薬は、症状や体質に合わせて体を温める漢方薬や症状を抑える漢方薬を柔軟に組み合わせられたり、またあくまで心身の調子を整える効果であるため、化学的な薬よりもそれほど副作用を気にする必要がないという点が大きなメリットです。

おすすめの漢方薬の種類は、PMSの症状によって少しずつ異なります。以下を参考にしてください。

腹痛や肩こり、ほてりタイプ

生理痛や肩こり、ほてりには、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」、ほてりや肩こりに加え便秘もある場合は、「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」がおすすめです。

頭痛、めまい、むくみタイプ

頭痛、めまい、冷え性、肩こりには「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」、頭痛やむくみには「五苓散(ごれいさん)」、同じく頭痛には「半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)」がおすすめです。

イライラ、抑うつ、不眠タイプ

イライラや元気が出ないときは「加味逍遙散(かみしょうようさん)」、イライラが激しく逆上も見られる場合は「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」、不眠や不安感が強い場合は「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」がおすすめです。

市販の漢方薬を使うときは事前に相談を

ご紹介したのはあくまで一例で、現在の体調や症状の経過によっては異なる漢方薬を用いたほうがいい場合もあります。例えば、体調が万全なときと、風邪で発熱しているときに必要な漢方が違うのは想像に難くないでしょう。漢方薬は気軽に試せる薬ではありますが、効かせるためには詳しい問診や診察が必要になるのです。

そのため自分のPMSの症状の内容や症状の重たさによって、漢方内科や婦人科の医師に相談することが症状を改善する近道です。市販の漢方薬を使用する時には、医師や薬剤師に相談してから服用することをお勧めします。

PMSの薬が効かないときは?

薬の効果が得られるかについては個人差があるため、中には投薬が効かない人もいます。その場合は、PMS以外の病気がないか検査を受けたり、また、体質や環境を整えるなど薬以外の対処を進めることも大切です。

PMSは食事バランスの偏りやカフェインの過剰摂取、睡眠不足、運動不足、ストレスによって悪化するとも言われています。日頃から健康的な食事をし、軽い運動をして代謝を促進する、といったこと一つ一つ実践してみてはいかがでしょうか。

おわりに:PMSの症状や体質に応じて適した薬は異なる

PMSの緩和効果のある薬には、さまざまな種類があります。ただ、症状や体質に応じて適した薬は異なるので、まずは専門の医療機関を受診し、服薬の相談をすることをおすすめします。

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