記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/13
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
肺気腫や慢性気管支炎の総称である「慢性閉塞性肺疾患」。この慢性閉塞性肺疾患は、重症度に応じて4つのステージがあります。詳しくは以降で解説していきます。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、おもにタバコの煙によって慢性的に肺に炎症が起きて、呼吸による空気の流れが阻害されて呼吸が正常に行えなくなる病気です。一度破壊された肺は元に戻ることはなく、徐々に症状が進行していきます。肺気腫や慢性気管支炎といった病気は個別の名前で呼ばれていましたが、同じような原因で起こる病気だということがわかり、治療方法も同じため肺気腫や慢性気管支炎などを総称してこう呼ばれるようになりました。
発症原因は主にタバコで、刺激物が気管や肺を何度も通ることで起こります。なお、受動喫煙も発症要因となります。他には大気汚染、喘息症状、乳幼児期の肺炎が原因となって起こることもあります。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は呼吸機能によって4つのステージに分類されます。スパイロメーターという機器を使って、息を吐く量や強さを測定してステージを分けます。
軽症では慢性的に続く咳と痰がでることがあり、早歩きで歩いた時に軽い息切れを起こす程度の症状がありますが、徐々に日常的にでている咳や痰の数や量が多くなったり、動いた時の息切れが悪化してひどくなる、そのことで動くことが難しくなり運動能力が低下するなどの症状が出現します。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)になると、一度破壊されてしまった肺の細胞は元に戻らないので、治療を行っても完全に治すことは難しいです。しかし、症状を緩和する治療法はあります。
基本的に行われるのは、薬物療法です。薬物療法としては気管支拡張薬を使用したり、去痰薬や咳止め、抗菌薬などを使用します。また吸入ステロイド薬を使用する時もあります。酸素吸入も有効な対症療法のひとつです。
なお、症状を起こす原因となっている喫煙を続けている場合には、禁煙をすることも非常に重要です。
一度破壊された肺は元通り回復することはないので、慢性閉塞性肺疾患は、できるだけ早い段階で治療を行うことが重要となります。特に喫煙者の方は発症リスクが高いので、慢性的な咳や軽い息切れなどの異変に気づいたら、念のため病院を受診することをおすすめします。