舌がんの初期症状の特徴は?早期発見が大切なのはなぜ?

2017/12/12 記事改定日: 2019/3/11
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

口の中に発生する口腔がんの中でもとくに発症数が多いといわれているのが「舌がん」です。口腔がんの中では目視しやすいがんとされてはいますが、発見が遅れがちながんです。今回は舌がんの初期症状についてご紹介していきますので、早期発見に役立ててください。

舌がんの初期症状ってどんなもの?

舌がんは、口の中に出来るがんの中で最も代表的ながんの一種です。発生しやすい年齢は50歳代後半ですが、若い人に発生する事もあります。また男女別でみると男性の方が女性の2倍かかりやすいことがわかっています。

舌は比較的外部から見えやすい部位ではありますが、舌がんは発見が遅れやすく、見つかった時には既に進行しているケースが多いです。
発見が遅れてしまう理由としては、見た目が口内炎とよく似ていることが挙げられます。また初期は痛みを伴わないことが大半で、舌の裏側にできているとその存在にすら気付かないこともあります。

リンパ節転移のない初期なら生存率は高いですが、口腔や喉にはリンパ節が多くあるので転移しやすく、完治させるには早期発見と早期治療が大切になっていきます。

舌がんの初期症状

舌がんは早期の段階で発見して治療を開始すれば、手術による舌の切除を回避できる可能性があります。また、進行が進むにつれて舌の切除範囲も大きくなりますので、できる限り早期の段階で発見することが非常に重要です。
舌がんの初期症状としては以下のようなものが挙げられますので、定期的にセルフチェックを行って早期発見につなげるよう心がけましょう。

  • 舌の一部にコリコリしたしこりがある
  • 舌の縁などに白っぽい口内炎ができ、なかなか治らない
  • 舌の一部に窪みなどがあり、舌の変形が見られる
  • 舌の一部に変色がある
  • 舌が全体的に腫れているように感じる

舌がんの症状はどう進行していくの?

舌がんは、早期の段階ではしこりや粘膜の変化などが現れるのみで自覚症状はほとんどありません。
しかし、進行するにしたがってしこりが徐々に大きくなり、しこりの表面に潰瘍を形成するようになります。潰瘍ができた部位は痛みや出血などを引き起こし、表面がでこぼこになるのが特徴で、「カリフラワー状腫瘤」などと呼ばれることもあります。

また、がんが舌の神経や味を感じる味蕾にダメージを与えることで、舌の動きが悪くなったり、味が感じにくくなることも少なくありません。さらに、舌がんは頚部リンパ節に転移しやすいため、下顎や耳の後などにしこりが触れるようになります。

舌がんで早期治療が大切な理由とは?

舌そのものは筋肉の塊で血液とリンパの流れがよい部分なので、早い段階でも転移しやすい部位です。そのため、リンパ節への転移があった場合は内臓器官にも転移し、やがてがんが全身を脅かすようになります。ここまで症状が進むと生存率も極端に低くなってしまうため、日頃から舌をチェックし、初期症状を見逃さないようにする事が大切なのです。

なお、舌がんの進行度はステージ1期から4期にわかれますが、がんがまだ小さくてリンパ節転移のない初期の段階で治療したほうが、生存率が高い事もわかっています。

治療法は手術治療と放射線治療、化学治療の3つに分かれますが、第一選択は手術で、がんの広がり具合によって切除する範囲も変わってきます。初期ならばがんのできた部分だけを切除すれば良いのですが、舌の中央を超えて広がっている場合は舌を全て摘出することになります。

なお、舌全摘手術を行うと、発音や食べ物を飲み込む嚥下機能に障害が残り、元の生活に戻すためにはリハビリが必要になります。

どんなことが原因で発症するの?

舌がんの原因はまだはっきりとは解明されていません。ただ、口の中は日常的に何らかの刺激を受けており、その刺激の中には舌がんを誘発する危険因子も含まれています。

例えば、飲酒や喫煙は舌がんと関係があるとされています。強いアルコール、煙草に含まれるニコチンやタール、煙草の煙に含まれるアセトアルデヒドなど刺激の強い化学物質が舌に触れ続ける事で発症リスクは高くなります。また、極端に熱いものや辛みの強いスパイスも舌がんの発生率を高めると考えられています。

さらに歯や口腔内の衛生状態も大きく関係しており、歯並びの悪さや虫歯、矯正器具が舌に慢性的な刺激を与えている場合も外傷性潰瘍を作る原因となり、それががん化した結果舌がんが発生することもあるといわれています。

おわりに:舌がんの初期症状は口内炎と間違いやすい。長く続く口の中の異常には要注意。

その見た目から口内炎と勘違いされやすく、放置されがちな舌がん。もしも境界のはっきりしない口内炎のような潰瘍が、2週間以上残っている場合は、念のため病院で検査を受けることをおすすめします。

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