本態性血小板血症とは? ~ 出血や血の塊ができる病気 ~

2017/12/13

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

本態性血小板血症は、何らかの原因で遺伝子に異常が起こってしまい、血小板の量が著しく増えてしまう病気です。脳梗塞や心筋梗塞などの合併症を起こす可能性がありますが、ほかにどのような症状が起こるのでしょうか。本態性血小板血症の基礎知識を紹介していきます。

本態性血小板血症とは?発症の原因はわかっているの?

本態性血小板血症は慢性骨髄性白血病などと同様に、すべての血液細胞の元となる細胞である造血幹細胞が腫瘍化することで発生する血液腫瘍疾患です。

赤血球や白血球、血小板などの血液細胞は骨の中にある骨髄という組織でつくられますが、骨髄の組織中にあるのが造血幹細胞であり、それが骨髄内で増殖や成熟していくことでそれぞれの血液細胞になります。
通常、血液中の血液細胞の数は体内のさまざまな仕組みによって一定の範囲になるよう調節されていますが、血液細胞の増殖に重要な役割を担っている酵素の遺伝子に異常が起こることが原因で血小板増殖の命令が出し続けられてしまい、血小板の過剰な増殖が起こります。
血小板が増加によって血管内で血の塊である血栓ができやすくなるため、血栓症を発症しやすくなるのです。

本態性血小板血症の代表的な症状

本態性血小板血症の代表的な症状は、血小板の増加によって血管内に血の塊ができる「血栓」です。
血栓によって心筋梗塞や脳卒中を発症して病院を受診し、初めて本態性血小板血症と判明することもあるといわれています。反対に、血小板が著しく増加してしまうことで血小板がうまく機能できなくなってしまい、出血しやすくなる症状が現れることもあります。

その他、細い血管にできた血栓が頭痛や耳鳴り、めまいを引き起こしたり、全身の倦怠感や集中力の低下、活動が鈍くなるなどの症状も起こることもあるようです。また、増加した血小板は脾臓で処理されることから、脾臓が大きく腫れて痛んだり、お腹の張りや不快感を感じることもあります。

 

主な治療法について

血栓は心筋梗塞や脳卒中といった命にかかわるような合併症につながる可能性があるため、本態性血小板血症の治療は、血小板の量を継続してコントロールする治療法がとられます。
抗血栓療法では、血栓の元となる血小板に作用して血栓を発生しにくくさせるアスピリンやチクロピジンを少量服用していきます。
血栓による重大な合併症が特に懸念される場合や血小板数が著しく高い場合は、 ヒドロキシカルバミドなどの経口抗がん薬による治療が行われることもあります。本態性血小板血症によって起こる頭痛やめまい、全身の倦怠感などには、それぞれの症状に応じた薬の服用による対症療法がおこなわれます。

おわりに:治療は血小板をコントロールしてが中心。継続治療が必要なので、医師と相談しながらきちんと続けていこう

本態性血小板血症は、遺伝子の異常が原因で血小板の量が増えすぎてしまう病気です。発症のメカニズムが解明されたわけではないため根治治療は難しく、合併症の予防のため血小板の量をコントロールすることが治療の中心になります。継続したと治療が必要になるので、信頼できる医師に相談しながら、きちんと治療を続けていきましょう。

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