汗が臭い…。考えられる原因を解説します

2017/12/13

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

夏など暑い季節は特に多くなる汗。中には、汗の臭いでお悩みの方もいると思います。では、なぜ汗は臭くなるのでしょうか?考えられる原因を解説していきます。

「臭い汗」と「臭くない汗」がある!

人間は体温が上がった時、籠っている熱を外へ出すために血液中の水分を使い、気化熱を発散することで体温を下げるという体温調節を行っています。

日本人には数百万個の汗腺が存在し、汗腺には実際に汗を放出する「能動汗腺」と「休眠汗腺」という2種類があります。このうち能動汗腺が多いと、血液から汗を作り出す循環も良い状態を保つため、サラサラとした「臭くない良い汗」となります。良い汗は、普段から運動をしたり、半身浴などでじっくりと体を芯から温めて出た汗は舐めても味がなく、臭いを発しません。この能動汗腺の数は、おおよそ3歳くらいまでにどの程度汗をかいたかにより決まるとされています。

一方、急な緊張からかく汗は循環が追いつかず、乳酸などの臭い成分を含んでいるため、臭くなります。また、能動汗腺が少ない人は「臭い汗」をかきやすいと言われていますが、臭くなるからと夏にクーラーの効いた部屋にずっといると、さらに能動汗腺の数が減り、より濃度の上がった「臭い汗」をかくことになってしまいます。

汗が臭い原因は?

臭いを発する汗には、「エクリン腺から出るもの」「皮脂腺から出るもの」「アポクリン腺から出るわきが臭」の3種類があります。

エクリン腺は全身に存在していて、そこから出る汗はおおよそ無臭ですが、そのままにしておくと皮膚上の常在菌や雑菌がそれをエサとして増殖し、臭いを発するようになります。また、エアコンなどの環境下が多いとエクリン腺は退化していきますので、機能も衰え、そこから発散するべき水分にアンモニア・乳酸などが含まれるようになって臭いの原因となります。

一方、皮脂腺から出る汗の臭いは、加齢による汗腺の機能の低下や肉体的な疲労に伴うものです。そこにノネナール(メタボの人に多い臭い成分)が加わると、さらに臭いはきつくなります。

最後に、アポクリン腺から出るわきが臭ですが、アポクリン腺の数は生まれつき決まっていて、個人差があるのですが、アポクリン腺から発せられる汗にはタンパク質や脂質などに加えてアンモニアビルピン酸なども含まれており、これらが臭いの原因となっています。これに皮膚の常在菌が加わることで、独特な臭いを発するようになります。

汗の臭いを改善するには?

改善対策の基本は、すぐにシャワーで流すことです。また、風呂上がりの仕上げとしてミョウバン水で全身を拭くのも効果的です。これらは「エクリン腺から出るもの」「皮脂腺から出るもの」「アポクリン腺から出るわきが臭」の3種類すべてに共通する対策です。このようにして皮膚上に雑菌が繁殖するのを防げば、臭いが発生するのも防げるようになります。

また、汗腺機能を鍛えることも大変有効です。膝下や肘から先の部位を熱めの湯に浸かり、湯船に水を足しつつ全身で浸かります。これを続けることによって交感神経のリラックスに繋がり、汗腺機能のトレーニングになります。

なお、加齢臭の対策では、シジミを食べてオルニチンなどの摂取により肝機能回復を目指すのも効果があります。またアポクリン腺のわきが臭対策としては、清潔に保つ他、手術による完治・ボトックス注射も効果が高いです。

おわりに:汗が臭くなる原因はさまざま。適宜ケアを実践してみよう

能動汗腺の数の少なさや加齢、わきがなど、汗の臭いの原因にはさまざまなものがあります。原因によって効果的なケアは少しずつ異なりますが、まずは汗腺機能を鍛えることや雑菌の繁殖を防ぐことが大切なので、ご紹介した方法をぜひ実践してみてください。

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